石川遼「生きるか死ぬかの1打を打ちたい」 今季国内初戦へ決意
男子ゴルフの日本一を決める日本オープンは12日、岐阜県関市の岐阜関CC東C(7180ヤード、パー70)で開幕する。前日の11日、今季国内初戦に臨む石川遼(26)=CASIO=や2年ぶり2度目の大会制覇を狙う小平智ら各選手が最終調整した。前週優勝の宮里優作はこの日コースに姿を見せず、初日に備えた。
石川は穏やかな笑みを浮かべていた。約50人のギャラリーを引き連れた練習ラウンド。18ホールを回り、厳しいコース設定にも「ラフに入ってからが勝負」と悠然としていた。
2週前の入れ替え戦で米ツアーの優先出場権を失った。「自分は何のためにゴルフをやっているのか」。突き付けられた厳しい現実と懸命に向き合い、プロゴルファーとしての原風景まで見失っていたことに気付いた。
「米国で結果が出なくても『石川遼が頑張っているから、俺も頑張る』と声をかけてもらったこともいっぱいあった。いかに見ている人に感動を与えられるか。それが選手としての価値、重さ。自分がゴルフをやる意味、生きている意味はそういう部分かなと思う」
タイガー・ウッズ(米国)、前週にシニアツアーでエージシュートを達成した尾崎将司らの名前を挙げ、「感謝の気持ちを感動で返すのが、自分の方法」と力を込めた。どん底からの再起戦。「生きるか死ぬかの1打を打ちたい」。最高の1打、感動の瞬間を重ねた先に、順位やスコアを超えた結果が待っている。