上田桃子が悪天候でV「やっぱりうれしい」 10年ぶりの賞金女王も視野
「女子ゴルフ・マスターズGCレディース・最終日」(22日、マスターズGC=パー72)
台風接近による天候不良などのため最終日の競技が中止、3日間54ホールの短縮競技となり、第3ラウンド終了時点で通算11アンダーの単独首位だった上田桃子(31)=かんぽ生命=が5月の中京テレビ・ブリヂストンレディース以来の今季2勝目、通算13勝目を飾った。規定により賞金は75%に減額され、2430万円。2打差の2位に畑岡奈紗、申ジエ(韓国)、藤本麻子の3人、6アンダー5位に竹内美雪が続いた。
ある程度は予想できた中止だったが、上田は「アナウンスで知った」と、しっかりプレーの準備をし、一切、気を抜くことがなかった。いざ決定となるともちろん「やっぱりうれしい。どんな形でも」と今季2勝目を笑顔で受け入れた。
4月に地元熊本で行われたKKT杯バンテリンで西山ゆかりに逆転負けを喫したこともあり、「最後まで何があるか分からないから」。こうしたさまざまな経験を、上田は積んできている。
初日43位から巻き返して優勝。勝因に「悪天候(での我慢)、ペアリング、経験」を挙げた。予選2日間のペアリングは「80くらいたたきそうな調子で私と同スコア」という全美貞と、「その対極。ガンガン攻める」という畑岡奈紗。この2人から大いに刺激を受け、集中が高まったこと。そして雨でも動じない気持ち、高い経験値すべてがそろって、好スコアに結びついた。
賞金ランクは8600万円を超え6位に浮上し、10年ぶり女王も見えてきたが「それよりも来年のANA(インスピレーション)に行きたい。女子のマスターズ。お祭りのような大会」と憧れる。この米メジャー大会、来季出場資格は未定だが、今季の場合は前年度国内賞金ランク2位以内。「見えてきた」という上田は「調子もいいし」と、“充実の秋”を見据えた。