小平が2勝目 愛妻の助言で再び賞金ランク1位に 史上初の「夫婦賞金王」に前進
「男子ゴルフ・三井住友VISA太平洋マスターズ・最終日」(12日、太平洋クラブ御殿場C=パー72)
小平智(28)=Admiral=が愛妻とともに優勝をもぎ取り、賞金ランク1位に返り咲いた。首位と3打差の3位で出て、8バーディー、1ボギーの65で回り、通算18アンダーで自身初の年間複数回優勝となる今季2勝目、ツアー通算6勝目。女子ゴルフの2008年賞金女王で妻・古閑美保さん(35)から技術的な助言と大声援を受け、圧巻の逆転劇につなげた。
小平は愛妻を引き寄せ、力の限り抱き締めた。「すごいね、本当に」。美保さんに耳元でささやくように祝福され、「ありがとう。勝ったよ」と応えた。夫婦で優勝を分かち合い、人目もはばからずに歓喜に浸った。
見せ場は17番パー3だった。1打目をグリーン手前のバンカーに打ち込みながら、リカバリーショットをピンそば1・5メートルに寄せ返した。涼しい顔で危機を逃れたプレーの裏には、元賞金女王のアドバイスがあった。
小平「どうすればいい?」
美保さん「もっと、体を開いて打ったら」
今大会はバンカーで苦戦が続いていた。前日のラウンド後、練習場で珍しく美保さんに技術的な助言を仰いだ。まさに効果てきめん。小平は「やったらよかった」とのろけた。
二人三脚の逆転劇で史上初の「夫婦賞金王」へ大きく前進。世界ランクは52位前後に浮上する見通しで、来春のマスターズ出場も見えてきた。それでも満足感には程遠い。「ショットもアプローチもパットも全部、向上させないといけない」。愛妻のアシストを力に変え、小平は世界と戦うために勝ち続ける。