宮里優作、逆転賞金王へ首位に3差発進 暗がりの中で上々69
「男子ゴルフ・日本シリーズJTカップ・第1日」(30日、東京よみうりCC=パー70)
今季の優勝者と賞金ランク上位の30人による最終戦。優勝すれば賞金王となる賞金ランク2位の宮里優作(37)=フリー=が4バーディー、3ボギーの69で回り、首位と3打差の8位につけた。賞金4位の池田勇太(フリー)は70で15位、賞金トップの小平智(アドミラル)は74と崩れて26位と出遅れた。66で回った宋永漢(韓国)ら3人が首位に並んだ。
夕闇、暗がりの中、宮里優は耐え、踏ん張った。最終18番パー3。「ティーショットは全く見えない。距離感も分からないんで、打つのが怖かった」。案の定、1打目はグリーンを外した。それでも、アプローチを寄せ、2・5メートルの下りのパットをねじ込んだ。至難のパーセーブで、“勝機”を必死に引き留めた。
「最後のパーパットが大きかった。腹をくくって、強めに打っちゃいました。(首位と)4打差と3打差では違いますからね」
1番で4メートルを沈めると、5番パー4では2打目をピンそば1メートルにピタリ。6番パー5は2オン2パットで連続バーディーを奪った。脳裏では上昇曲線をイメージしていた。
だが、中盤から降り注いだ霧雨が思わぬブレーキをかけた。9番で3パットをたたき、痛恨のボギー。小さな雨粒によってグリーンが微妙に重くなり、「ラインの読み方が変わって、パットが苦しくなってしまった」。さらに分厚い雲に視界を奪われ、「ナイターゴルフ。10番から見えなくなっちゃった」。
不安、ストレスを抱えつつ「久しぶりに少年のころを思い出した。ああ、(見えなくても)感覚で打っていたなって」。最後は覚悟を決め、きっちりスコアメークして上々発進。逆転賞金王へ、反転攻勢に打って出る。