比嘉真美子 ギリギリ1打差で大逆転V ツアー通算4勝目「本当にうれしい」
「女子ゴルフ・KKT杯バンテリン・レディース・最終日」(15日、熊本空港GC=パー72)
4打差12位からスタートした比嘉真美子(24)=フリー=が7バーディー、1ボギーの66をマーク。驚異の追い上げで通算6アンダーとして逆転優勝を飾った。昨年8月のNEC軽井沢72ゴルフ以来のツアー通算4勝目。1打差2位に成田美寿々、さらに1打差3位にささきしょうこと権藤可恋が入った。不動裕理はイーブンパー16位、鈴木愛は1オーバー20位だった。
2年間の大スランプから昨季に劇的復活を果たし、今季は選手会長にあたるプレーヤーズ委員長も務める比嘉。トーナメントV戦線でもリーダーシップを見せ始めた。
最終組の5組前から4打差を追っての最終日に「自分が65ぐらいのスコアを出せば、プレーオフの可能性はあるかなと思っていた」。1番でグリーン右エッジから10ヤードをチップインさせ、いきなりのバーディーで「このスタートは“ワンチャン”あるかも」。2番こそボギーにしたものの、4、6、8、12番でバーディーを積み重ね、15番ではカラーからの6メートルをパターで沈めて首位に躍り出た。
「でも成田選手が調子いいし、18番をバーディーで上がって、運が良ければプレーオフってぐらいに考えていました」。その18番パー5は残り212ヤードを5番ウッドでグリーン右奥カラーに止め、1メートル半に寄せてバーディーフィニッシュ。パッティング練習をしながら最終組を待っていると、朗報が届いた。
「一番大事な最終日にすごくいいゴルフができて勝てた。この早い時期に優勝できた。本当にうれしいです」。前週のスタジオアリス女子で3位になり、「ドライバーは120%で振れてます。今は振れば曲がらない自信がある。多少ラフに行ってもそこら辺にあればいいかなって思ってやれている。(優勝は)近いと思ってます」と手応えありの様子だったが、その通りの逆転劇だった。
沖縄出身だが、熊本にも思いがある。「2年前の4月14日、熊本地震の前震を体験した。本当に怖くて、一晩レンタカーの中で過ごした。今年ここに戻って来て、まだ仮設住宅や震災の影響がある中で生活されている人もいると分かって複雑な気持ちになった。でも私にできることはゴルフ。全ての1打を全力でプレーすると決めてティーオフしました」。そんな思いが熊本の地、コースに受け入れられた優勝だったに違いない。