【舩越園子の目】小平初Vを米関係者は予感していた
「米男子ゴルフ・RBCヘリテージ・最終日」(15日、米サウスカロライナ州、ハーバータウン・リンクス=パー71)
「KODAIRA」の名が米ゴルフ界で意識され始めたのは今年3月のマッチプレー選手権2日目だった。強豪フィル・ミケルソンと対戦した小平は大方の予想を覆し、4アップまでリードを広げて大善戦した。
そのマッチを眺めていたらノタ・ビゲイが近寄ってきた。かつてスタンフォード大学ゴルフ部でタイガー・ウッズとチームメイトだったビゲイは米ツアー4勝の後、現在はTVリポーター。実体験と優れた目を持つ彼の解説には定評がある。「コダイラ?僕は好きだなあ。いいスイング、いい顔でプレーしている。今後ビッグになる予感がする」。
米ツアーのメディアオフィシャルも「フィルに勝ったらコダイラの会見やりたい」。結果的にミケルソンに終盤で追いつかれ、小平は逆転敗北。会見も無くなってしまったが、ミケルソンも「コダイラサン、グレート!」と絶賛。小平自身も「自信になった」。彼がスポットライトを浴びる準備と兆しは3月ごろには見え始め、気付く人は気付いていた。
米ツアー・ノンメンバーでいきなりヘリテージ初優勝は「サプライズ」の声も聞かれる。だが、小平の優勝は起こるべくして起こった努力の結実。静かにうなずいている選手や関係者は想像以上に多い。(在米ゴルフジャーナリスト)