時松、ツアー通算4勝目に王手 武士道守り表情は崩さず
「男子ゴルフ・日本ツアー選手権・森ビル杯・第3日」(2日、宍戸ヒルズCC西C=パー71)
2位で出た時松隆光(24)=筑紫ケ丘GC=が5バーディー、1ボギーの67と伸ばし、通算12アンダーで2位と3打差の単独首位。初の日本タイトル、今年5月の関西オープンに続くツアー通算4勝目に王手をかけた。首位で出た近藤智弘(40)=ネスレ日本=は71と伸ばせず、韓国の金亨成(キム・ヒョンソン)、ブラッド・ケネディ(オーストラリア)とともに通算9アンダーの2位。
安定感の際立つショットと得意のパットがかみ合い、時松が快調にスコアを伸ばした。1番は3メートル、2番で1・5メートルを沈めると、6番で3メートル、7番は7メートルをねじ込み、2度の連続バーディーで抜け出した。
ただ、歓喜や安堵(あんど)のかけらもなかった。「前半で4つも取れたので、後半はしのいでいこう」。沸き上がるギャラリーとは対照的に、ポーカーフェースを崩さない。平家の血筋を引く時松家にあって、父・慊蔵(けんぞう)さんの武士道に通ずる教えがある。
「バーディーを決めて、ガッツポーズなんてしたらつまらん。武士が人を斬って、ガッツポーズをしよったか?相手を思い、謙虚な気持ちでプレーしなさい」
好機で躍らず、危機に平然としていた。国内三大大会、しかも首位で優勝戦線を引っ張っていても、そのスタイルは変わらない。追ってくる近藤智とは3打差。「差はあってないようなもの。明日も勉強なので」。腰は低く、あくまでも控えめに、時松が日本タイトルを奪いにいく。