【舩越園子の目】13位フィニッシュ松山、打ち込み解禁へ
「米男子ゴルフ・メモリアル・トーナメント・最終日」(3日、ミュアフィールドビレッジGC=パー72)
3日目の最終ホールで「これだ!」と気づき、笑顔を輝かせた松山英樹。だが、最終日もショットを安定させられず、「お先真っ暗。何が原因か全くわからない状態になった」と表情は沈んでしまった。
探し求めているものは、発明家が「これぞ世紀の大発明」と声を張り上げるようなビッグで画期的な何かではない。ほんの小さなわずかなヒント。そのヒントを元に、もやもやしている曇り空を一気に青空へ変えていく。アスリートに不調や壁は付きものだから、そんなヒント探しはアスリートの力の見せどころなのかもしれない。
いろいろ考えながら試行錯誤してきた松山が、この日、ついにたどり着いたのは「球打ちを今までの倍ぐらいする」。2月に左手を故障して以来、球数を抑えてきたが、「僕自身、球数を打たないとうまくいかないプレーヤーなのかなと思い始めたので球数を打つ」。
1週間後の全米オープンまでにショットの修正は間に合うのか?「たぶん無理」。無理かもしれないが、「試合が始まるので、やらないと」。だから、考えるより、ひたすらたくさん球を打つと決めた松山。なんとなく「急がば回れ」に似ているその決意が、彼にとって最善の道になってほしい。
(在米ゴルフジャーナリスト)