畑岡奈紗 9打差追いつくも…日本女子41年ぶりのメジャー制覇まであと一歩
「米女子ゴルフ・全米女子プロ選手権・最終日」(1日、ケンパーレークスGC=パー72)
前週の米ツアーで日本人最年少優勝を飾った畑岡奈紗(19)=森ビル=が2イーグル、5バーディー、1ボギーの64と猛チャージし、通算10アンダーでスタート前の9打差を追いついたが、3人によるプレーオフで敗れ2位。日本女子41年ぶりのメジャー制覇にあと一歩届かなかった。パク・ソンヒョン、柳簫然(ユ・ソヨン)=ともに韓国=とのプレーオフは1ホール目で脱落。パク・ソンヒョンが昨年の全米女子オープン選手権に続くメジャー2勝目を挙げた。
メジャー優勝経験者2人とのプレーオフにも臆せず、動じない。1ホール目。柳簫然が6メートルを先に流し込んだ直後、ピン上4・5メートル、カラーからのバーディーパットは「集中して打ったつもり。ちょっと強かったですね…」。球はゆっくりと転がり、無情にもカップ右を通り抜けた。畑岡は残念そうにため息を吐いたが、その表情はすがすがしく、達成感にあふれていた。
「自分でもビックリするような内容。最終日にすごく自分らしいプレーができたと思う」
ピンチをしのいで、猛チャージにつなげた。2番、5メートルのパーパットを沈めて「一日の流れで大きかった」。圧巻は、畑岡自身も「初めて」と驚いた1ラウンド2イーグルだ。7番パー5はバンカーから直接カップイン。11番パー5では残り223ヤードをピン上5メートルに運び、「ほぼ完璧。よくあの狭いところに攻められたと思う」と自画自賛の一打だった。
ショットともに、グリーン上もさえ渡った。面白いように球がカップに消え、合計パット数22、平均パット1・27はともに全体1位。「(3日目は)入れることに集中できていなかった」と外す怖さを消し去り、きっちり修正する力があった。
64は最終ラウンドでの大会最少スコア。9打差を追いつき、かすんでいたメジャーの頂点が、最後ははっきりと見えていた。1977年の樋口久子以来、日本人2人目のメジャー制覇には惜しくも届かなかったが、手にした収穫は単なる惜敗を大きく上回る。
「(メジャー優勝が)本当に目の前にあった。確実に手が届くところにある。あとやることは、一つだけですね」。昨季140位だった賞金ランキングは今季ここまで約93万3千ドル(約1億360万円)で2位。勢いと自信を刻み、畑岡は8月の全英リコー女子オープン、9月のエビアン選手権へ向かう。