大里桃子、史上最短V! プロ23日目で初の歓喜
「女子ゴルフ・CATレディース・最終日」(19日、大箱根CC=パー73)
単独首位で出たルーキー大里桃子(20)=フリー=が3バーディー、3ボギーの73で回り、通算10アンダーでツアー初優勝を果たした。7月にプロテストに合格し、28日に日本女子プロゴルフ協会(LPGA)に入会してから23日目での初優勝は史上最短記録。森田遥が2打差2位。菊地絵理香、飯島茜、アン・ソンジュ(韓国)が通算7アンダー3位だった。
重圧を根っからの負けず嫌いがねじ伏せた。最終18番、大里は残り105ヤードの第3打をPWで20センチにピタリ。あえて大きめのクラブでバックスピンを抑え「あの1打は達成感があった」と自賛した。
14番で3・5メートルのパーパットを沈めたのも大きく、粘って攻めての初優勝。「こんなに下手くそなのに優勝しちゃっていいのか。実感が湧かない」と控えめに喜びを口にした。
勝みなみ、小祝さくら、新垣比菜ら“黄金世代”と同じ98年生まれ。プロテスト合格は1年遅れたが「ジュニア時代のみなみは雲の上の存在。みなみが(アマチュアで出場した14年バンテリンで史上最年少)優勝した時、私も出ていて悔しかった。比菜も今年優勝した。私も負けてられない」。ライバルに追いつき追い越す気持ちが初Vの原動力だった。
前日スコア過少申告で失格になった新垣の両親から「スタート前に『比菜の分まで頑張って』と。その気持ちがありがたかった」。2年前に熊本地震で被災した故郷への思いも背中を押してくれた。「私も自宅がすごく揺れて怖かった。まだ被害が残っているところがある。私の優勝で少しでも元気になってもらえたら」と熱い思いを口にした。
“黄金世代”では新垣に次ぐ2人目の優勝で初シードも獲得したが「ほっとしたけど、まだ下手くそ。もっと練習します」。すい星のように飛び出したニューヒロインは、謙虚に足元を見据えた。