【舩越園子の目】4位松山に「神のご加護」
「米男子ゴルフ・デルテクノロジーズ選手権・最終日」(3日、TPCボストン=パー71)
序盤から次々にバーディーを奪った松山英樹が7番ティーへやってきたときのこと。大勢が見守る中でくしゃみをしたら、「ブレス・ユー」の声が上がった。
米国では、くしゃみをした人に「ブレス・ユー」と声を掛ける習慣がある。キリスト教に由来する「ゴッド・ブレス・ユー(神のご加護がありますように)」という意味の掛け声で、掛けられたら「サンキュー」と返す。
松山もその習慣を知っていたらしく、声が飛んできた右後方へ視線をやりながら「サンキュー」。ロープ際の人々から笑いが漏れ、その場は和やかな空気に包まれた。
そのホールでバーディーを奪い、9、10番の連続バーディーでついに首位タイへ。が、後半の連続ボギーで流れが変わり、「4日間ともバック9でうまくプレーできなかった」。
それでも3日目は「かなり救われている」と運に感謝し、最終日はホールアウト時点ではトップ10に残れるかどうかの状況だったが、終わってみれば4位タイ。
「神のご加護」もあったように思えるし、米国の習慣に溶け込んでいる松山に人々が向ける温かいエールがこれからも「ご加護」になってくれそうだ。
(在米ゴルフジャーナリスト)