香妻琴乃、ツアー初V! プロ8年目感激の涙

 優勝カップを手に笑顔を見せる香妻琴乃(共同)
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 「女子ゴルフ・マンシングウェア・東海クラシック・最終日」(16日、新南愛知CC美浜C=パー72)

 首位と3打差10位からスタートした香妻琴乃(26)=サマンサタバサ=が8バーディー、ノーボギー64の猛攻で通算15アンダーに伸ばして逆転、プロ8年目にしてツアー初優勝を飾った。1打差2位に新垣比菜、岡山絵里、アン・ソンジュ、イ・ミニョン(ともに韓国)。鈴木愛は17歳のアマチュア安田祐香(兵庫・滝川二高3年)らとともに12アンダー6位に終わった。

 香妻は人生3度目のプレーオフを覚悟し、パッティング練習をしていた。誰かが追いついてくると思っていたが「優勝、決まったよ」-。申ジエ(韓国)欠場による繰り上げ出場のチャンスを生かし、初優勝をつかんだ。

 プロデビューから気がつけば8年目。キャディーさんから「ゴルフしててよかったね」と祝福されて涙があふれた。会見場でそれを思い出し、また頬をぬらした。「この2年、QT(予選会)の成績も悪くて、ゴルフがすごく嫌いな時もあった。だけど…こういう日が来た。すごくうれしかったです」

 プロ4年目だった14年は2度のプレーオフ負けの2位もあり、賞金ランキング19位で初シードを手にした。だが、その年の10月に突然の腰痛に襲われた。「寝返りも打てず歩けない。咳をしてもズキンと痛い」。翌年以降も何度もぶり返し、思うように練習もできなかった。

 「試合に出られない。スポンサーに申し訳なくて」。所属、用品契約など合計7つの企業スポンサーを持つ香妻。辛かった。今季はトレーナーにケアしてもらうほかに、電気治療器も購入した。50万円の自己投資もして再発を回避、7月末からはダイエットにも取り組み、大好きなラーメンとトンカツを断ち、毎日5キロのランニングを日課にした。

 14年にはランキング1位に輝いたパッティングの復活にも精を出した。インドアスクールでストローク解析を受け、過去のビデオで昔のグリップを見つけた。「ここ何週間かでよくなってくれた。今日はアドレスでボールと体が離れないよう、それだけを意識しました」。それが初Vへの後押しとなった。

 次の目標は最終戦のメジャー、LPGAツアー選手権リコー杯での優勝だ。一方でツアーきってのエンターテイナーとの評判もあり、本人に水を向けると「私、笑えないぐらいのオンチなんで、見よう見まねで何でも踊ります。少女時代とか…」と、意外な一面も垣間見せた。

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