【舩越園子の目】ノーボギー10位浮上の松山が取った試合後の行動とは

 「米男子ゴルフ・ツアー選手権・第2日」(21日、イーストレークGC=パー70)

 ポイントランク27位でツアー選手権に滑り込んだ松山英樹。初日は30人中25位と出遅れたが、2日目は4バーディー、ノーボギーで10位へ急上昇。しかし、厳しい表情で「落ち込みました」。

 後半はティーショットが曲がり、グリーンを外す場面も多かった。それらをパーで収めたからこそのノーボギーで上位入り。それでも落ち込むのは「パーを拾い続けるだけではダメだということ?」。松山はしばし考え込み、彼なりに答えようと努力してくれていた。何かを言いかけては唇がかすかに動いたが、最終的には「うまく説明できないです」。

 この日のパーセーブの連続は実に鮮やかだった。ロープ際の観衆は松山が窮地を切り抜けるたびに「信じられない」と驚嘆の声。魅せるゴルフとしては最高の出来栄え。松山自身、いいパーセーブができたとは感じていたが、「内容が内容だけに思いやられる」。

 スコアを伸ばし、順位を上げ、ファンを魅了。それでも満足しないところが松山の原動力なのだろうとあらためて感じさせられた矢先、ふと見れば、久しぶりにラウンド後に球を打つ松山の姿を発見。やっぱり力があふれ始めている。最終戦にして、ようやく“本来の松山”が戻りつつある。

(在米ゴルフジャーナリスト)

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