【舩越園子の目】皆が祝ったウッズ復活V
「米男子ゴルフ・ツアー選手権・最終日」(23日、イーストレークGC=パー70)
2013年以来、5年ぶり、1876日ぶりの復活優勝を挙げたタイガー・ウッズ。72ホール目でウイニングパットを沈めた途端、ウッズが見せたガッツポーズは、拳を突き上げるフィストパンプではなく、両腕を高々と上げる万歳ポーズだった。
昨年4月に4度目の腰の手術を受けて戦線離脱して以来、「カムバック、タイガー!」は大勢の願いだった。一時期は起き上がることも歩くこともできなかったが、昨秋ごろから急速に回復。今年1月に戦線復帰後はウッズ自身もファンも「ウッズ勝利をもう一度」と願うようになった。
その願いは今年6度も叶いかけては叶わなかったが、今季最終戦で、とうとう叶った。「人々の支えがあったからこその勝利。僕はとてもラッキーだ」。
ウッズの万歳ポーズと呼応するかのように大観衆もみな両腕を空に掲げた光景は、あたかも「みんなで祝う勝利」の様相だった。
なぜウッズは待望の勝利の瞬間にフィストパンプではなく万歳をしたのか。「どうしてかな。自然にそうなった」。それはきっと自分を支え、応援してくれた大勢の人々への感謝の念が彼の両腕を上に上げさせ、観衆と一体化させたのではないか。私には、そう思えてならない。
(在米ゴルフジャーナリスト)