稲森、日本オープンでツアー初V 09年小田以来8人目「最大の自信に」
「男子ゴルフ・日本オープン・最終日」(14日、横浜CC=パー71)
首位から出た稲森佑貴(24)=フリー=が5バーディー、2ボギーの68で逃げ切り、通算14アンダーでツアー初優勝を果たした。初Vを日本オープンで飾るのは2009年の小田龍一以来8人目。ショーン・ノリス(南アフリカ)が通算12アンダーで2位。嘉数光倫、岩田寛が8アンダーで3位に並び、49歳のベテラン藤田寛之、竹安俊也、片岡大育、時松隆光が7アンダー5位に入った。
20センチのウイニングパットを沈めると、稲森は右手を強く突き上げた。「よーし!」。大きな叫び声を上げながら、続けて2度ガッツポーズ。メジャーの大舞台でつかんだ初優勝の喜びを体全体でかみしめた。
「最後のパットを決めたら虎さん(崔虎星)並みのガッツポーズをしてやろうと決めていたんです。初優勝がメジャー。最大の自信になりました」
トレードマークになった曲がらないショットでパー3以外はすべてフェアウエーをキープした。5番で第2打を右へ曲げてボギーが先行したが、9番でピン手前10メートルのバーディーパットがカップに消えると、エンジン全開。続く10番も手前6メートルを放り込み、連続バーディーで後続を突き放した。
今年5月の日本プロ最終日18番。入れればプレーオフ進出のバーディーパットをショートし3位に終わった。「あのパットは悔しさしかない。最終日は勝つために強めに打っていく」。前日に誓った通りの強気のパッティングで13番からは3連続バーディー。18番パー3こそ緊張感から第1打を珍しく左へ曲げたが、ボギーにとどめて逃げ切った。
いつ優勝してもおかしくないといわれながら勝てなかったが、8月のKBCオーガスタで初優勝を果たした同郷の出水田大二郎から刺激を受けた。「うれしい気持ちもあったけど、悔しさもあった。大二郎君には感謝しています」と話した。
この優勝で5年シードをつかみ、来季は海外試合挑戦のビジョンも広がる。「次の目標は賞金王ももちろんですが、将来は小平(智)さん、松山(英樹)さんのように海外で活躍できる選手になりたい」。飛距離よりも正確性を優先。人気低迷に悩む男子ゴルフにニュータイプのスター候補が飛び出した。