アン・ソンジュ最速10億円突破 涙腺崩壊…苦し勝った通算28勝目
「女子ゴルフ・マスターズGCレディース、最終日」(21日、マスターズGC=パー72)
首位から出たアン・ソンジュ(31)=韓国=が2バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの74とスコアを落としながらも通算12アンダーで逃げ切り、今季5勝目、通算28勝目をマークした。優勝賞金3240万円を加え、生涯獲得賞金が10億円を突破。国内ツアーでは不動裕理、李知姫、全美貞、横峯さくらに続く5人目で、226試合での到達は不動の275試合を上回る史上最速記録。2打差2位にキム・ハヌル(韓国)、さらに1打差3位に安田彩乃。初優勝を狙った松田鈴英は原英莉花、鈴木愛と並んで通算8アンダー4位に終わった。
ウイニングパットを沈めても平静な顔を崩さなかったアンだが、グリーン奥で出迎えてくれた韓国の後輩、キム・ハヌルと抱き合った瞬間、思わず涙腺が崩壊した。
「泣いてなかったのに、ハヌルが『泣かないで、泣いちゃダメ』って言うから、いろんなことが頭に出てきて涙が出たの」。通算28勝目にして最も苦しく、最も感慨深い優勝だった。
2位に5打差をつけてスタートしながら、前半で4つスコアを落とすよもやの展開。最終日の最終18番で1メートルのパーパットを外して優勝を逃した前週、富士通レディースの残像に苦しめられていた。
「昨日から富士通のことが頭に出てきて、寝られなかった。食べるのが大好きな私が朝食も入らなくて、私、大丈夫なのかなって」
過去3度の賞金女王に輝いたアンも、やはり人の子だった。それでも1打リードで折り返した10番で3メートルを決めて初バーディーを奪うと、後続に一度も並ばれることなく逃げ切ってみせた。
これで生涯獲得賞金10億円の大台を史上最速で突破。「自分で自分を褒めてあげたいけど、今日のプレーでは褒めたくない。足りないところを練習しないと」。あと2勝に迫る永久シード獲得に向け、貪欲に次の1勝を見据えた。