畑岡奈紗、米ツアー2勝目 成長証明67で逆転V「自信になる」
「女子ゴルフ・TOTOジャパンクラシック・最終日」(4日、瀬田GC北C=パー72)
通算9アンダー3位から出た畑岡奈紗(19)=森ビル=が7バーディー、2ボギーの67で回り、通算14アンダーで逆転優勝を果たした。米ツアーでは6月のアーカンソー選手権に続き2勝目で日米通算では5勝目。日本選手が米ツアーで同一シーズンに複数回優勝したのは2016年の野村敏京以来。上田桃子、永峰咲希、カルロタ・シガンダ(スペイン)が通算12アンダーで2位。小祝さくらは通算9アンダー8位に終わった。今大会19位だった世界ランキング1位のアリヤ・ジュタヌガーン(タイ)の16年以来2度目となる米ツアー賞金女王も確定した。
千両役者に成長した。米ツアー参戦2年目の畑岡が堂々の逆転勝ち。最終18番は2メートルの下りスライスラインをカップのど真ん中から沈めてバーディーフィニッシュを決め、右手の拳を何度も強く握り締めた。
「上(リー)が落とす展開は予想していなかった。最後まで緊張したけど、あまり攻めすぎず、うまくプレーできた。優勝できて本当によかったです」
強豪ぞろいの米ツアーで苦しみ、悩み、身につけた技でピンチを乗り越えた。6番のバーディーで単独首位に立ち、目に見えない重圧がかかる中、11、12番を連続ボギー。迎えた13番でとっておきのカードを切った。
第1打を左のラフに打ち込み、極端なつま先下がりのライから放った第2打は左へ曲がった。第3打はピンまで28ヤードのアプローチ。この場面でSWでボールを上げて寄せる手段を選ばず、PWの転がしで1メートルにピタリ。見事にパーをセーブし、悪い流れを断ち切った。
「28ヤードでPWを使うのは前なら想像できなかった。あれはアメリカに行って覚えた。試合でできたのは自信になります」
狙って勝った試合だった。3日間大会で月曜日から練習することはほとんどないが、今週はアプローチ、パットを練習。「TOTOは強い気持ちで勝ちたいというのがあった。ギャラリーの方にアメリカに行って成長した姿を見せたかった」と振り返った。
この優勝で野村敏京以来となる日本人の年間複数回優勝を果たし、米ツアーの中での立ち位置を確固たるものにした。「来年はメジャー優勝が目標。フロリダあたりに拠点も持ちたい」。成長を続ける19歳にとって、この優勝もひとつの通過点にすぎない。