LPGA放映権一括管理断行…日テレ撤退 伝統の女子ゴルフツアー3大会消滅
日本女子プロゴルフ協会(LPGA)は18日、都内で記者会見し、来年の試合日程などを発表した。小林浩美会長(55)がこれまで大会主催者のものだった放映権を、LPGAが一括管理するとした改革を受けて、日本テレビとの交渉が決裂。3試合が中止となり、今年の38試合から8年ぶりの試合減となる36試合になった。四大大会はLPGA選手権(仮称、場所未定)、日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯、日本女子オープン選手権、最終戦。6年連続で更新されていた賞金総額は、7年ぶりに前年度を下回る37億500万円(3336万円減)となった。
若く、華やかな若手の台頭で勢いにのる日本女子ゴルフ界が、大改革に打って出た。
小林会長は昨年8月から放映権のLPGAへの帰属を求め、各大会の主催者、テレビ局と交渉。難航しながら36試合についてはまとまったが、ゴルフ中継の老舗・日本テレビとの交渉が決裂。03年に当時高校3年生の宮里藍がアマチュア優勝を飾ったミヤギテレビ杯ダンロップ女子など、同系列局が関わる伝統ある3大会が中止となり、8年ぶりの試合数減、7年ぶりの賞金総額減となった。冒頭で混乱を謝罪した小林会長だったが、成果については「画期的な第一歩になった」と、胸を張った。
女子ツアーは、テレビ局の協賛で発展した経緯があった。しかし、2013年に一般社団法人となり、税制上の優遇を受けられなくなったLPGAは、安定した財政基盤の確立を模索。小林会長は放映権を一括管理し、有料のネット配信事業者に売ることで、安定財源とすることを決めた。当面、これまでどおりテレビ局から放映権料は徴収しない方針。地上波ではほとんどが録画放送だったが、生配信が可能となることで新たなファン層の開拓も期待できる。
一方で、選手らに具体的な説明がない独断専行の形での改革に反発もある。また、現状でネット放送の交渉はまとまっておらず、この日は一部放送局から「開幕まで時間がない。具体的なものがないと納得できない」と、不満の声がとんだ。
「会員にはこれから手紙ベースで全部説明させていただく。(交渉については)鋭意努力するとしかいえない」と、小林会長。小林改革はまだ波乱の要素を含んでいる。