【綾子の視線】どん底から「プロ魂」身につけ復活した比嘉真美子
「女子ゴルフ・ダイキンオーキッドレディース・第3日」(9日、琉球GC=パー72)
デイリースポーツ読者の皆様、今年から評論家を務める岡本綾子です。私なりの視線でトーナメントの醍醐味(だいごみ)、選手の心理や技術、勝負の流れなどをお伝えします。どうぞよろしくお願いします。
さて、本日は強い風と雨の中でのプレーとなりました。また、琉球GCは「手前から攻める」というゴルフの鉄則を守らないと、すぐにスコアが崩れてしまうコースなんです。この状況でアンダーパーでまわった比嘉はすごいですよ。
18番(パー5)で2打目をグリーン右手前のバンカーに入れましたが、きょうのピン位置なら、このバンカーからは狙いやすい。実際に3打目を30センチにつけてバーディーを取りましたよね。コースマネジメントがしっかりできているからこそ、悪天候でも71でまわることができた。トッププレーヤーのプレーと言っていいでしょう。
比嘉は13年に2勝して、17年に3勝目を挙げるまで苦しみましたよね。肩で風を切っていた選手がどん底を見る。みんな経験することなんです。その時に、ゴルフとは関係ないところで時間をつくる。ボールを打つだけが練習ではないと知ることで、逆に練習の一打に集中できる。比嘉もそうすることで自然と「プロ魂」を身につけて、しっかりと復活してきました。
実は私も比嘉を“ゴルフ外”に連れ出した一人なんです。メンタルが落ち込んでいる時に「食事に行こう」「カラオケに行こう」と誘い出してね。17年に優勝した後にも私の食事会に顔を出してくれたり、素直で律義なところがある。若いうちにいいものをピックアップして、吸収できる性格はやっぱり得ですよね。(デイリースポーツ評論家)