比嘉真美子、涙の凱旋V “土俵際”で踏ん張り17番起死回生バーディー

 母親の彰子さん(左)とトロフィーを手に優勝を喜ぶ比嘉真美子
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 「女子ゴルフ・ダイキンオーキッドレディース・最終日」(10日、琉球GC=パー72)

 首位から出た地元沖縄出身の比嘉真美子(25)=TOYO TIRES=が3バーディー、3ボギー、2ダブルボギーの4オーバー76と崩れたが、通算5アンダーで逃げ切った。昨年4月のKKT杯バンテリンレディース以来の通算5勝目を挙げた。日本選手の優勝は2013年森田理香子以来6年ぶり。同じく地元沖縄出身の新垣比菜、エイミー・コガ、穴井詩が通算2アンダーで2位に並んだ。

 自然と涙がこぼれた。比嘉は短いウイニングパットを沈めると、一瞬息を吐き、それから右手に4度力を込めた。「やっと終わったと思った。ここで勝つのが夢でした。今は夢と現実をさまよっている感じ」。言葉に達成感がにじんだ。

 土俵際で踏ん張った。16番までに5つスコアを落とし、迎えた17番パー4。残り98ヤードの第2打を56度のウエッジで2メートルに乗せ、起死回生のバーディーを奪った。「悪い流れで16番まできたけど、17番はショットもパットも完ぺきだった。それが最後にできて、今後につながると思う」と前を向いた。

 2位に7打の大差をつけての最終日。勝って当然の展開と大声援を浴びる地元大会の重圧が本来のリズムを狂わせた。7番で1メートルのパーパットを外したのが変調の兆し。8番パー3で第1打を右の木に当ててダブルボギーとし、13番でもダブルボギー。15、16番の連続ボギーで2位と2打差まで追い込まれた。

 何が何でも勝ちたい気持ちが窮地脱出の原動力となった。ゴルフを始めたばかりの小5の時に今大会のボランティアを務めた。練習場で選手にボールを渡す役目。「格好いい女子プロを見て、いつか自分もこうなりたいと思った。それからダイキンで優勝するのが私の夢になったんです」。当時全盛期の不動裕理からもらったサインは今も額に入れて自宅に飾ってある。

 大相撲の幕内・勢と婚約したことで心の強さが養われた。「大切な人が増えれば、自分が守っていきたいと思う。そのためには自分自身が強くならないといけない」と真っ正面を向いて話した。

 賞金ランク4位に躍進した昨季の流れを切らさず、苦しみながらも今季開幕戦を制したことで、20年東京五輪の日本代表入りの可能性も膨らんでくる。「そのチャンスがあれば全力でつかみにいきたい。それには毎週優勝できるように頑張らないといけない」。世界と肩を並べるその日まで、歩みを止めるつもりはない。

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