鈴木愛、悔し涙の開幕戦予選落ちから“V”字回復 準地元・高知で節目の10勝目!
「女子ゴルフ・ヨコハマタイヤPRGRレディース・最終日」(17日、土佐CC=パー72)
首位と2打差の3位から出た鈴木愛(24)=セールスフォース=が5バーディー、1ボギーの68で回り、通算9アンダーまで伸ばして今季初優勝、通算10勝目を飾った。徳島県出身の鈴木は四国開催のツアーは初優勝で「節目の10勝目が四国でよかった」と喜びをかみしめた。通算5アンダー2位に葭葉ルミ、4アンダー3位に岡山絵里、福田真未、イ・ミニョン(韓国)が入った。
強い鈴木が戻ってきた。勝負どころを逃さず、激しい優勝争いから一気に抜け出した。最終18番をバーディーで締めくくると力強く右拳を握り、唇をかみしめて歓喜に浸った。
「先週は本当に悔しくて、(第2日のラウンドが)終わった後にトイレに駆け込んで泣いた。今までやってきたことが間違っていたのかなって…」
前週の開幕戦は2季ぶりに予選落ちした。翌9日に東京に戻り「本当にゴルフが嫌になって(テレビ中継を)見てもないし、3日間はクラブも持たなかった」。家に閉じこもり、ひたすら好きなDVDやテレビ番組を見て過ごした。
「シーズン中に3日もクラブを握らないことはなかなかない。オフの疲れが取れて、気持ちも落ち着いた」。言葉通りの“V字回復”を果たし、2位と4打差の圧勝で通算10勝目をつかみ取った。
パッティングのうまさに定評のある鈴木だが、フックラインを苦手にしていたという。それが今大会前の練習中に、長いスティックに沿って素振りをすることで「劇的にフックラインのイメージが良くなった」と開眼。優勝を決めた一打に11番で沈めた5メートルのフックラインを挙げ、「あのバーディーパットが大きかった。いいパットができた」と成果を実証してみせた。
15番では6メートルの下りスライスラインを決め後続を突き放した。「入ってよかった」と本人のリアクションは薄いが、同組で回った渋野は「鳥肌ものでした。難しいラインをジャストタッチで入れられるのは(鈴木)愛さんしかいない」と脱帽。スムーズなストロークから生み出されるボールの回転のよさは、プロから見ても別格だ。
準地元で節目の勝利を挙げ、目指すは2年ぶり賞金女王の座。「もっと技術、メンタルを仕上げていきたい」。貪欲に次の1勝を狙っていく。