【綾子の視線】勝った鈴木はもっと生意気になってもいい

 「女子ゴルフ・ヨコハマタイヤPRGRレディース・最終日」(17日、土佐CC=パー72)

 首位と2打差の3位から出た鈴木愛(24)=セールスフォース=が5バーディー、1ボギーの68で回り、通算9アンダーまで伸ばして今季初優勝、通算10勝目を飾った。選手の心理や技術、勝負の流れなどを、デイリースポーツ評論家の岡本綾子が、自身の視線でお伝えする。

  ◇  ◇

 鈴木は開幕戦の予選落ちから、きっちりと立て直してきました。一つミスショットがあっても、その原因を見つけるのが上手。これは、ちゃんと自立した部分を持っているからこそ。この大会はいつも外国人選手が強かったから、日本人選手の優勝はうれしいですね。次戦も日本人選手に続いてほしいものです。

 私には、鈴木について強く印象に残っている試合があります。それは13年9月のステップアップツアー、中国新聞ちゅーピー・レディースカップ(2日間大会)。8月にプロテストに合格したばかりで、優勝経験もない19歳の鈴木が初日に単独首位に立った。最終日に向けて私が話を聞くと、18ホールのシミュレーションを口にし、そして「前半の9ホールで3アンダーぐらい出せれば逃げ切れる」とまで言い切った。そして翌日、その言葉通りに優勝を果たしてみせました。大口をたたき、有言実行する強さが印象的でした。こういう選手があと2、3人いると、日本人選手のいい刺激剤になってくれるのですが。

 一昨年に賞金女王になった鈴木ですが、誰でも一度は“生意気”になって、肩で風を切る必要があるんです。鈴木はここで勝ったことで、もっと生意気になってもいいぐらい。そこから何を、どう学び取るかが、これからのプレーヤー人生を左右する。賞金女王の本当の意味でのプライドというものが分かってくる年齢でもありますしね。まだまだ成長し、強くなっていってもらいたいと思います。

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