上田桃子V 原因不明の右手中指痛に打ち勝った! 13年ぶり日本人選手開幕3連勝

 「女子ゴルフ・Tポイント×ENEOS・最終日」(24日、茨木国際GC=パー71)

 首位と1打差の2位から出た上田桃子(32)=かんぽ生命=が5バーディー、3ボギーの69で通算6アンダーとし、今季初勝利を逆転で飾った。2017年10月のマスターズGCレディース以来、2年ぶりの通算14勝目。トップから出た申ジエ(韓国)は後半に崩れた。開幕戦の比嘉真美子、2戦目の鈴木愛に続く日本人選手の開幕3連勝は、06年に西塚美希世、不動裕理、飯島茜がして以来、13年ぶりとなった。

 ミスをしようが不運に見舞われようが、自分を見失わない心の強さが今季の上田はある。14番はピン左6メートルのフックラインを読み切ってバーディー。6アンダーとして前半終了時点で3打差をつけられた申ジエに並ぶと、16番でもバーディーを奪い、崩れたライバルを突き放した。

 2年ぶりの優勝会見で「まさか。痛くなったのもまさか。プレーできたのもまさか」と繰り返した。前夜就寝後、突然、右手中指の激痛で目が覚めた。原因不明。「骨が折れてる」と思うほどだった。夜が明けても治まらず、化粧もせずにコースへ。痛み止めの薬を飲んでテーピングを施し、練習場で20球ほど打って本番を迎えた。

 一時は棄権が頭をよぎった。優勝争いをして迎えた最終日。「なんでこんなときに」と腐りかけたが、幸いにも痛いのはスイング時に軽く添えるだけでいい右手だ。今はけがでさえも、前向きにとらえられる。

 喜怒哀楽を表に出すのが上田の良さでもあるが、ふてくされたり落ち込んだりするのはゴルフにはマイナス。昨季も「1年間我慢する」とキャディーに約束しながら守れず、指導を受ける辻村明志コーチ(40)に「心の成長に取り組みたい」と訴えた。オフの2カ月間、練習中のミスショット後に「もう1球」はなし。とにかく目の前の一打に集中し、悔いを残さないプレーでメンタルを鍛えた。

 今季のテーマに「心技体」を掲げるが、心の成長に満足はしていない。「心技体が整ったときの(優勝の)景色はどうなのか。この1勝で見たくなった」。本当に強い上田になるための、大きな一歩を踏み出した。

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