河本結初V…通算15アンダーで大会記録も達成 14年ぶり日本人開幕4連勝
「女子ゴルフ・アクサレディース宮崎・最終日」(31日、UMK・CC=パー72)
首位から出た女子大生プロで黄金世代の中心選手・河本結(20)=エリエール=が4バーディー、2ボギーの70で回り、通算15アンダーのトーナメント記録で初優勝を果たした。日本人が開幕戦から4戦連続で優勝したのは2005年の11試合連続以来14年ぶり。ユン・チェヨン、S・ランクンが通算10アンダーで2位。脇元華、ペ・ヒギョンが通算9アンダー4位。臼井麗香は73とスコアを伸ばせず、通算8アンダー6位だった。
南国宮崎のまばゆい日差しを浴びて、河本が短いウイニングパットを沈めた。キャディーを務めた弟・力(りき)さんと抱擁すると、一瞬泣き顔になった。駆け寄ってきた同年代の新垣、三浦、稲見から祝福を受け、ようやく笑顔に戻った。
飾らない人柄を示すように優勝会見は、予期せず爆笑に包まれた。最後のパットを打つ直前の気持ちを聞かれ「実はマジでトイレに行きたかったので…。(18番の)ティーショット打つ時から『ヤバ、漏れそー』というのがありました。ま、これは内緒にしておいてください」と楽しそうに告白した。
スタート前のアクシデントを乗り越えての圧勝だった。練習場に向かう途中、力さんが転倒して両手のひらから出血した。代役キャディーも選択肢にあったが、姉の「やるよね」という言葉に弟も「全然余裕」と応じてコンビ継続。1番で第2打を木に当ててボギー発進も、4番でカラーから5メートルを沈めて流れを引き寄せ、最終18番パー5は果敢に2オンを狙ってバーディー締め。「やはり弟と一緒だと安心感が違う。この優勝は弟のサポートのおかげ」と副賞のベンツA180をポンとプレゼントした。
両親にささげる優勝でもあった。ゴルフ好きだった父・由一さん(48)、母・美由紀さん(45)は娘が10歳の頃に経費がかかるからとクラブを置いた。「うちは一般家庭で両親が一生懸命働いて私と弟にゴルフをさせてくれたので、絶対いつかゴルフをさせてあげたいなと思った。これからが親孝行です」と思いを吐き出した。
98年生まれの“黄金世代”としては、勝、畑岡、新垣、大里に続き5人目の優勝を果たしたことで、今後の目標も具体性を増してきた。「今年は賞金ランク5位以内、平均ストローク70台。来年は賞金女王。オリンピックにも出たいし、早い時期に米ツアーにも参戦して、全米女子オープンで優勝争いをしたい」。女子ゴルフに若き実力派が飛び出した。