成田8度目逆転V 「2パット星人」難コース攻略67 全米女子OPへ「自信に」
「女子ゴルフ・ヤマハレディース葛城・最終日」(7日、葛城GC山名C=パー72)
3位から出た成田美寿々(26)=オンワードホールディングス=が6バーディー、1ボギーの5アンダー67で回り、通算5アンダーで逆転優勝。今季初、昨年富士通レディース以来の通算12勝目を挙げた。首位スタートのアン・ソンジュ(韓国)は2バーディー、2ボギーの72とスコアを伸ばせず、1打差の2位にとどまった。68を出した新垣比菜が通算1アンダーでペ・ソンウ(韓国)と並んで3位に食い込んだ。
逆転の成田の本領発揮だ。12番までに4つ伸ばしてアン・ソンジュを捉え、並んで迎えた18番パー5。ピンまで残り233ヤードの第2打で勝負に出た。5Wで果敢にグリーンを狙い、右手前10メートルにオン。イーグルパットは2メートルショートしたが、このウイニングパットをしっかり沈めた。
この瞬間、右手を高々と突き上げて歓喜のポーズ。賞金女王との4打差をひっくり返し、これで逆転優勝は全12回中8回目となった。今大会は過去5回の出場で予選落ち3回、ベストが40位と大の苦手だったこともあり「本当にあり得ないことが起こったというのが正直な感想」と苦笑いで振り返った。
葛城の傾斜があって速いグリーンへの対応がうまくいった。「今週は“2パット星人”になると決めていた。2メートルのバーディーパットでも2パットでいくことを徹底するのは難しく、心が大事だった。狙ったのは最後のパットだけです」。今週は3パットが1回もなかった。
今季から遠征先の宿舎では、部屋の中でなべ料理を囲むことが多いという。父・俊弘さん(64)は「美寿々は外食よりも部屋の中で体のケアや休息を取りたい方。そのためなべセットを小ぶりのスーツケースに入れて毎週宅配便で送っています」。前夜は豚肉の辛みそなべ。家族でのリラックスタイムが勝利につながった。
世界基準の難度を誇る葛城を制したことで、出場が決まっている5月末の全米女子オープン(米サウスカロライナ州・チャールストンCC)へも自信を深めた。「こういうゴルフができたことはすごい自信になった。新しい成田美寿々が生まれた感じです」。海外メジャーで結果を残せば、目標にしている東京五輪出場の可能性も大きく膨らむ。