【綾子の視線】スピン自在に操るウッズらプロの意図に注目
「米男子ゴルフ・マスターズ・第3日」(13日、オーガスタ・ナショナルGC=パー72)
14年ぶり5度目の優勝を狙うタイガー・ウッズ(43)=米国=が、6バーディー、1ボギーの67で11アンダーとし、首位と2打差の2位で最終日を迎えた。松山英樹(27)=LEXUS=は18番でダブルボギーを叩いたが68でまわり、3アンダー25位。同じく68を出したアマチュアの金谷拓実(20)=東北福祉大=は、1アンダーで39位とした。初優勝を目指すフランチェスコ・モリナリ(イタリア)が13アンダーで首位に立った。選手の心理や技術、勝負の流れなどを、デイリースポーツ評論家の岡本綾子が、自身の視線でお伝えする。
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テレビのスイッチを入れて、オーガスタナショナルGCが映し出されると、ヒロ・ヤマガタの絵画のような景色が目に飛び込んできます。「うわあ、絵はがきみたい!」と、まずはその美しさに心を打たれます。
パトロンで埋め尽くされたコースも素晴らしいのですが、チャンスがあれば一度、テレビで見ていただきたいのは、そのパトロンが誰もいなくなった風景です。何万人が歩いたところが真っ茶色になり、緑とのコントラストで各ホールを彩る、日本ではあり得ないような、静寂の美しさも本当にいいものです。
そんなオーガスタを最も沸かせたのは、やはりタイガー・ウッズでした。一時期は批判を浴びるようなこともありましたが、みんなが復活を待っているのが伝わってきました。私もその1人ですし、テレビ解説をしていた中嶋常幸プロも“特別扱い”してましたね。
今週のウッズはもちろん、トッププロはバックスピンで寄せたり、スピンを減らして上から「ポテン」と落としたり、スピン量を思うままにコントロールしています。
12番、16番のパー3などでよく分かるのですが、ターフが左向きに取れていればカット気味でスピン量が増え、止まる球になります。右方向なら、フックとなりよく転がる。そんなプロの意図も見どころの一つです。
松山は68と3日間のベストでした。ショットの良さが目に付きますね。特にショートアイアンのトップの位置は去年より良くなっています。パター次第でさらに好スコアも望めそうですね。