【綾子の視線】渋野さん吉田さんは韓国人選手の「強さ」感じて成長を
「女子ゴルフ・ワールド・サロンパス・カップ・第3日」(11日、茨城GC東C=パー72)
2位から出た黄金世代の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=が6バーディー、ボギーなしの66をマークし、通算11アンダーでペ・ソンウ(韓国)と並び首位に立った。最終日はメジャー大会でのツアー初優勝を目指し、勝負の18ホールに臨む。70で回ったアマチュアの19歳、吉田優利(日本ウェルネススポーツ大1年)は通算7アンダーで3位につけた。選手の心理や技術、勝負の流れなどを、デイリースポーツ評論家の岡本綾子が、自身の視線でお伝えする。
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渋野さんは体幹がしっかりしていますね。最初にプレーを見た時に「腕が太いし、肩が強そう。だから飛ぶんだな」っていう印象を受けました。付くべきところに筋肉が付いていて、ソフトボールなどいろんなスポーツをやってきたことが生きています。
ゴルフしかやってきていないということでいうと、アマチュアの吉田さんの下半身は“大きい”けど“強い”というわけではない。でも勢いというのは筋力を超えていきますね。そういう勢いを感じました。ただ、スイングはいいし、肝っ玉もよさそう。基礎トレーニングを積んで体幹を鍛えていけば、もっともっと良くなりますよ。
渋野さんと吉田さんは、最終日に初優勝が懸かります。若い選手には勝負所での苦渋をどんどん味わってもらいたい。アスリートの孤独を感じ、「なぜ私はゴルフをしているんだろう」っていうところまで追い詰められて…。そういう場に立つことで初めて、一段も二段も上がっていくことができるのです。期待する2人ですから、頑張ってほしいと思います。
それにしても、韓国人選手の層は厚いですね。米ツアーに行く選手も強いけど、日本ツアーに来る選手も強い。本当に強い選手は淡々とプレーして、ひたひたと、いつの間にかスコアを上げてくる。そういう本当の強さを肌で感じられる日本人選手は恵まれていますよ。ペ・ソンウさんと優勝を争う渋野さんと吉田さんも、早くにこういう経験ができていいですよね。