【綾子の視線】立て直しがうまいケプカ、シンプル思考がいい

 「米男子ゴルフ・全米プロ選手権・第2日」(17日、ベスページ・ステートパーク・ブラックコース=パー70)

 メジャー初制覇を目指す松山英樹(27)=LEXUS=は3バーディー、1ボギーの68で通算2アンダー、10位に浮上した。タイガー・ウッズ(43)=米国=は通算5オーバーでカットラインに1打及ばず予選落ちした。今平周吾(26)=フリー=と小平智(29)=アドミラル=も決勝に進めなかった。昨年優勝のブルックス・ケプカ(29)=米国=が65で回って通算12アンダーにし、後続に7打差をつけて首位を守った。選手の心理や技術、勝負の流れなどを、デイリースポーツ評論家の岡本綾子氏が、自身の視線でお伝えする。

  ◇  ◇

 松山くんの第2Rのプレーは落ち着いていて良かったですね。ドライバーショットは安定していましたし、後はもう少しパットが入っていれば、というところでしょうか。

 ポアナ芝のグリーンは振り子のリズムで下からすくい上げるように打つよりも、例えばロフト角3度のパターを0度に立てるようにトップスピンをかけて打つ方がボールは跳ねない。下からすくうと飛び出しから跳ねてしまうし、ポアナ芝の1メートル前後のショートパットは本当に怖いんですよ。松山くんは5メートル前後のバーディーパットを打ちきれないシーンが目立ちましたが、大きくオーバーしないように距離を合わせにいっているところもあるのでしょう。

 海外の選手は淡々とパットしていて、グリーンに適応するのが早い。そこは私が現役のころから、うらやましいなと思っていました。日本人は思いを表現する言葉が多すぎるのがいけないのかな。スポーツはシンプル思考がいいですよ。ケプカ選手もボギーを打った時は隙があるのかなと思いましたが、立て直すのがうまい。ボールの前に立ったらシンプルに、ポジティブに。分析はプレーの後でできますから。

 ケプカ選手が一人、大きく飛び出す展開となりましたが、松山くんは「彼があのスコアを出せるなら、自分だって出せる」と心の奥底で思っているはず。第2Rのようなゴルフをいかにあと36ホールできるか。トップ5で最終日を迎えることができれば、チャンスはあると思いますよ。

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