【綾子の視線】飛んだ、飛ばないでは世界で戦えない 日本選手はもっと小技の練習を
「米男子ゴルフ・全米オープン選手権・第3日」(15日、ペブルビーチ・リンクス=パー71)
日本勢で唯一決勝ラウンドに進出した松山英樹(27)=LEXUS=は7バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの出入りの激しい内容で70。通算1アンダーとし、前日の32位から23位に上げた。だが、首位との差は10打に開き、日本人男子初のメジャー制覇は厳しくなった。メジャー未勝利の35歳、ゲーリー・ウッドランド(米国)が通算11アンダーで首位。選手の心理や技術、勝負の流れなどを、デイリースポーツ評論家の岡本綾子氏が、自身の視線でお伝えする。
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久々に締まった、いいゴルフを観せてもらいました。PGAツアーの選手はショートアイアンのスピンコントロールが本当に上手。ヘッドを入れる角度やスピードをコントロールし、バックスピンで戻ってくる量を計算して打っている。今大会のペブルビーチや、マスターズのオーガスタのような、小さくて傾斜の強いグリーンを攻略するにはスピンコントロールが必要不可欠です。
また、インテンショナル(意図的)にフック、スライスを打ち分ける技術もすごい。例えばウッドランド選手はフェードを持ち球としていますが、フックを打たなければいけない状況となった18番の2打目では、きっちり左にボールを曲げてフェアウエーをとらえました。右にも左にも曲げられて、その曲がり幅もコントロールできる。そうでないとあの位置(世界ランク25位)にはいないんだな、と改めて思いました。
日本の選手にも、こういうところを見習ってもらいたい。海外の試合で戦うと、途端に飛距離アップを目指そうとする選手が多いですが、飛んだ、飛ばないを口にしているようでは世界で戦えません。ゴルフはショートゲームです。大きいクラブを振り回してなんぼの練習では、いつまでたっても数字を出すことはできませんよ。