【綾子の視線】松山くん最後までよく我慢しました
「米男子ゴルフ・全米オープン選手権・最終日」(16日、ペブルビーチ・リンクス=パー71)
35歳のゲーリー・ウッドランド(米国)が通算13アンダーでメジャー初勝利(米ツアー4勝目)を挙げた。4バーディー、2ボギーの69で逃げ切り、賞金225万ドル(約2億4500万円)を獲得。ブルックス・ケプカ(米国)は3打差の2位で、114年ぶりの大会3連覇はならなかった。23位で出た松山英樹(27)=LEXUS=は通算2アンダーでタイガー・ウッズ(米国)らと並ぶ21位だった。選手の心理や技術、勝負の流れなどを、デイリースポーツ評論家の岡本綾子氏が、自身の視線でお伝えする。
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優勝賞金が2億4500万円っていうのはすごいですね。世界一を決める大会にふさわしいビッグプライス。ただ、彼らのパワー、体力なんかを見ていると、全米オープンは5日間開催にしたらいいのに、なんて、ふとそんなことを思った1週間でした。
最終日の選手は、いろんな思いを抱えてプレーしています。ただ突き詰めると、臆病な自分との戦い。最大の敵はコースではなく、自分自身になる。普段できていることができない悔しさ、情けなさ。優勝争いには運も絡んできますが、運を頼って練習はしません。どのような状況にあっても、自分の思うショットをできるかどうか。練習でできないことは試合でできません。そういうことを乗り越えた一握りの選手がメジャーを勝っていくんだなと、改めて感じました。
松山くんはトリプルボギーがありながら、最後までよく我慢しました。彼には日本中の期待がかかっていますから、プレッシャーの中で戦うのは大変だとは思いますけど、大会3連覇を目指したケプカ選手には松山くん以上のプレッシャーがかかっています。プレッシャーは選手それぞれに最大限にかかっているものですから。でもまあ、ファンはわがままだなと思うこともありますけどね。