鈴木、女王の風格 自身初2週連続&2年連続V!賞金ランク1位浮上
「女子ゴルフ・ニチレイレディース・最終日」(23日、袖ケ浦CC新袖C=パー72)
鈴木愛(25)=セールスフォース=が大会連覇を達成した。3位から出て70で回り、通算9アンダーで並んだ黄金世代の20歳、高橋彩華との18番パー5を使用したプレーオフに突入。1ホール目でバーディーを奪って2週連続の今季3勝目、通算12勝目を挙げ、賞金ランキングでも首位に立った。初優勝を逃した高橋は自己最高の2位。比嘉真美子、小祝さくら、河本結、三ケ島かなが通算7アンダー3位に入った。
まさに貫禄勝ちだった。鈴木は50センチのウィニングパットを沈めると両手を広げて万歳。これでプレーオフは3勝4敗。「まだ負けが多いけど、ちょっとはメンタルが強くなったかなと思う」と満足そうな笑みを浮かべた。
ワンランク上のゴルフ力を見せつけた。9番で第2打が木に当たり4オン2パットのダブルボギー。勝負どころで手痛いミスを犯したが、焦らずしっかり気持ちを立て直した。
「前半は上りのラインにつける安全策だったけど、9番でダボ、10番でバーディーを取れなかったので、11番からは相手がヒヤッとするゴルフをしようと思った。グリーンを外してもいいからピンをデッドに狙った」
勝負の分かれ目は直後の11番パー3だった。第1打でピンを狙ってグリーンを外し、アプローチも3メートルショート。再び絶体絶命のピンチを迎えたが、これを沈めてパーをセーブ。「他の2人(高橋と比嘉)が右に(安全に)打っていったのを見て、自分は乗せるだけでは勝てないと思った。攻めていってパーを取れたのが大きかった。あそこから流れがよくなった」と自己分析した。
プレーオフ1ホール目は第1打を左に曲げた高橋に対し、余裕の2オン。6メートルのイーグルパットは外したが、しっかりとバーディーを奪い20歳の新鋭を退けた。「今日はじっくり我慢して自分の流れを来るのを待てたのがよかった。先週優勝できたので、落ち着いてプレーできた」
自身初の2週連続優勝を果たし、申ジエを抜いて賞金女王争いのトップに躍り出た。7月末からのエビアン選手権、全英女子オープンに向け「全米では比嘉さんが優勝争い、去年のサロンパス杯で戦ったイ・ジョンウン6が優勝。私も頑張っていれば世界で活躍するチャンスがあると思えた」。高い技術に強いメンタル。鈴木が女王にふさわしい風格を身につけ始めた。