【綾子の視線】渋野の強さの秘けつはゴルフを“なめていない”ところ
「女子ゴルフ・AIG全英女子オープン・第2日」(2日、ウォバーンGC=パー72)
海外戦初体験の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=が4バーディー、1ボギーの69と3つ伸ばし、通算9アンダーにして2位を守った。首位のアシュリー・ブハイ(南アフリカ)まで3打差で決勝ラウンドを迎えた。日本勢は前週のエビアン選手権でローアマを獲得した安田祐香ら5人が65位までの予選ラインを通過。畑岡奈紗ら3人が姿を消した。選手の心理や技術、勝負の流れなどを、デイリースポーツ評論家の岡本綾子氏が、自身の視線でお伝えする。
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渋野さんは本当にいいゴルフをしています。1年前にプロテストに合格して、今は一ショットごとに上手になっていく時期。何より、まだゴルフを“なめていない”ところがいいですよ。何ごとにも前向きに取り組めているから、吸収するスピードが速いのです。
第2Rの後半9ホールは1バーディーでしたが、14、17番のパー3など2メートル以上のパーパットを決めています。これはバーディーパットに匹敵するぐらいの価値がありますから、いい流れで決勝Rに進めたと思いますよ。第3R、最終Rもこれまで通りのプレーができるかどうか。海外メディアが「日本人はこの大会でまだ優勝していない」と話す声が聞こえてきました。それなら「よし、やってしまえ」ですよ。日本人選手がメジャーで優勝する姿を見られたら、私は泣いてしまうかもしれません。
一方、鈴木さんと比嘉さん、畑岡さんが予選落ちしたことにはショックを受けました。日本人選手の“本命”だと思っていましたし、コースも日本によくある林間コースですから、「やってくれるのでは」という期待感があっただけに…ね。
鈴木さんは春先よりスエーが大きくなっているのが気がかり。スエースイングといえば樋口久子さんが有名ですが、樋口さんはバックスイングで右に移動するけど、トップから後は動きません。その場でボディーターンしています。鈴木さんも日本に帰ったら、しっかり立て直してもらいたい。「賞金女王になる」と宣言したからには、有言実行ですよ。