渋野日向子40位 今季初の観客1万人突破もお疲れモード
「女子ゴルフ・日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯・第3日」(14日、チェリーヒルズGC=パー72)
42位から出た渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は6バーディー、4ボギー、1ダブルボギーのイーブンパー72とスコアを伸ばせず、通算1オーバー40位にとどまった。ギャラリーが今季初めて1万人を突破する“シブコフィーバー”の中、全力プレーで声援に応えた。畑岡奈紗(20)=森ビル=が7バーディー、1ダブルボギーの67で回り、通算13アンダーで首位を堅持した。
苦戦続きの18ホールを終え、渋野は疲労の色を隠せなかった。前日にオーバーパーなし連続ラウンド記録が途絶え「肩の荷が下りた」というが、大きくスコアを伸ばす選手が続出する中、イーブンパー72と低迷し「ポンコツなプレーで、なかなかしんどかったですね」。いつものスマイルはなし。代わりに大きなため息の音が空気を震わせた。
本人の調子とは対照的に、全英優勝から続く“シブコフィーバー”が臨界点に達した。気温こそ高かったが、土曜日、晴れ、弱風と絶好の条件に恵まれたこの日、早朝からギャラリーが詰めかけ、今季ツアーで初めて1万人の大台を突破した。
1万人突破は昨年のワールドサロンパスカップ第3日の1万607人以来。「朝からギャラリーさんがすごく多かった。それがプレッシャーになることはないけど、その方たちの前でいいプレーができなかったのは残念です」と唇をかんだ。
それでも“見せ場”は作った。9番の第1打を1Wで強振すると、ボールは前日に続いて約30メートル先の電線を直撃。左手前にはね返って避雷小屋の屋根に当たった。続いて打った同組の岡山のボールも電線に命中。直後に2人でハイタッチしてギャラリーを大いに沸かせ「あれは珍プレーですよね」。この時ばかりは“シブコスマイル”を振りまいた。
最終日は首位と14打差で臨む。逆転は不可能に近いが「明日は80を打とうが楽しんでやりたい。ピンを攻めていって外したらアプローチが難しくなるけど、それもおかまいなしに攻めていきたい」。攻めるゴルフこそ身上。今こそシンプルに原点回帰する。