【綾子の視線】大問題!ある選手が関係者に「死ね」 LPGAはもっと選手の教育を
「女子ゴルフ・マスターズGCレディース・第3日」(26日、マスターズGC=パー72)
第2ラウンド(R)の残りと第3Rが行われ、渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は通算6アンダーの9位とした。第2Rは残り3ホールを1バーディーで回り、第3Rは4バーディー、3ボギーの71。最終日に8打差逆転でツアー4勝目を狙う。選手の心理や技術、勝負の流れなどを、デイリースポーツ評論家の岡本綾子氏が自身の視線でお伝えする。
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今回はプレーとは別に、一つ話しておきたいことがあります。大会前のことです。ラウンド前のストレッチなどでコースの風呂場を利用する選手は多いのですが、置いてあるタオルがなくなっていくことが続いており、LPGAと大会運営側が協議して今大会は風呂場にタオルを置くのをやめたのです。
すると、ある選手が「何で置いてないのか」とスタッフに食ってかかったという。理由を説明されると「(風呂場に)髪の毛が落ちている。きれいにしたらどうだ」などと難癖をつけはじめ、「タオルを出せ」「出せない」の押し問答を展開。あげく、対応にあたったコースの副支配人に「頭が固い。死ね」と捨てぜりふを吐いたというのですから、これは大問題ですよ。
この選手は優勝したこともあるベテランプロ。本来は若いプロの模範とならなければいけない。本人にも言い分はあるでしょうが、言ったことは取り返しがつかない。スポンサーに対してこういう行動を取るのはとても残念だし、不愉快です。
男子プロでも昨年、プロアマ戦で招待客に不適切な対応をする問題がありました。この件から何も学ばなかったのか。LPGAはもっと選手を教育したらどうか。20歳前後の選手の活躍を手放しで喜ぶのもいいが、選手の教育がおろそかになってはいけない。今は“野放し”になっている状態。何でも欧米に倣うのではなく、「日本のゴルフ文化」を大事にしてもらいたいと思います。
さて、この日のラウンドですが、渋野さんはグリーンを外すとパーセーブの確率が低い。これは経験不足ですからしょうがない。今どうこうではなく、来シーズンにどれだけ腕を上げているかです。今から伸びていく未知数のゴルファーですから。