渋野、前半綱渡りも70で3位キープ 宮崎グルメで逆転女王へ前進
「女子ゴルフ・LPGAツアー選手権リコー杯・第2日」(29日、宮崎CC=パー72)
大逆転の最年少賞金女王を目指す渋野日向子(21)=RSK山陽放送=は3バーディー、1ボギーの70で回り、通算4アンダー3位を死守した。得意のバックナインで2バーディーを奪ってスコアを伸ばした。渋野と賞金女王を争う鈴木愛は1オーバー73とスコアを伸ばせず、申ジエと並んで通算1オーバー17位と足踏み。70で回ったテレサ・ルーが通算7アンダーで首位をキープした。
得意のバックナインで渋野が躍動した。495ヤードの13番パー5。ピンまで残り240ヤードの第2打を3番ウッドでピン手前10メートルに乗せ、難なくバーディーを奪った。続く14番はピン左奥7メートルを沈めて連続バーディー。首位に3打差3位の好位置をしっかりと維持した。
前半はショットが乱れて綱渡り状態だった。1番はグリーン手前からのアプローチをミス。5メートルのパーパットを入れて耐えた。4番は左ラフからピンまで103ヤードの第2打がまさかのシャンク。右ラフからのアプローチも3メートルオーバーし唯一のボギーをたたいた。
流れが変わったのは12番パー3の第1打からだった。それまで右に飛び出していたショットが初めて左へ飛んだ。「あそこでやっとショットは大丈夫と思った。そこまでは体が伸び上がったりとか、ボールを見ていないとか、自分の悪いところが全部出ていた」。高い修正能力を発揮し、13、14番の連続バーディーにつなげた。
「今日は前半ショットに苦しんだけど、最終的に2アンダーで終われてよかった。この2日間ちゃんと伸ばせて、次につながる位置にいるので80点くらいかなと思う」
激しい賞金女王争い、高い注目度で心身ともに疲労はピーク。プライベートでは地元宮崎のグルメに舌鼓を打つなどリラックスに努めている。「昨日は宮崎牛でした。こちらへ来てから地鶏、チキン南蛮も食べました。絶対太って帰ると思ってます」と無邪気な笑みを浮かべた。
単独2位以上が逆転賞金女王への絶対条件とされる中で、前半2日間を終えて首位に3打差3位は十分に可能性があるが、大会前の言葉通り、無心、無欲を貫く構えは変わらない。「明日いい位置にいるなら(優勝、賞金女王を)考えちゃうかもしれないけど、やっぱりノンプレッシャーでいるのがいいのかな」。余計なことは考えずひた向きに突っ走る。最後までシブコらしく戦い、ミラクルを呼び起こす。