悲願の地元初V比嘉真美子 ボロボロの最終日に耐え抜く勇気をくれた2人の人物とは?

 沖縄県出身の比嘉真美子(25)=TOYO TIRE=は昨年3月に地元の琉球GCで開催された開幕戦、ダイキンオーキッドレディースを制した。最終日は3バーディー、3ボギー、2ダブルボギーの4オーバー76とボロボロになりながらも、強い気持ちで逃げ切った。優勝スコアは通算5アンダーだった。

 優勝は一昨年のKKT杯バンテリンレディース以来通算5勝目で、同大会で日本選手が優勝したのは2013年の森田理香子以来6年ぶりのこと。優勝会見では「やっと終わったと思った。ここで勝つのが夢でした。今は夢と現実をさまよっている感じ」と言葉に達成感をにじませた。

 3日目までに2位と7打差の独走態勢を築き、勝って当然の雰囲気が最終日のリズムを狂わせたのかもしれない。7番で1メートルのパーパットを外したのが変調の兆し。8番パー3で第1打を右の木に当ててダブルボギーとし、13番もダブルボギー。15、16番の連続ボギーで崖っぷちへ追い込まれたが、この窮地で踏ん張った。17番パー4で残り98ヤードの第2打をサンドウエッジで2メートルに乗せ、起死回生のバーディー奪取。優勝への流れを再び引き寄せた。

 最終日のピンチを耐え抜く勇気をくれた人物が2人いた。1人は永久シードのレジェンド・不動裕理(43)。比嘉がゴルフを始めたばかりの小5の時、この大会のボランティアを務めたことがある。その時、当時全盛期の不動にサインをもらい、それは今も額に入れて自宅に飾ってあるという。「不動さんを見ていつか自分もこうなりたいと思った。それからダイキンで優勝するのが私の夢になったんです」。地元大会への思いを増幅させてくれた不動に感謝した。

 もう1人は大相撲幕内力士の婚約者・勢(33)だった。勢もちょうど大阪場所を控えていた時期で「お互いに地元大会だからプレッシャーもあるけど、たくさんの応援をパワーに変えるのが一流のプレーヤー。そう彼も思っている」とプロフェッショナルに徹する覚悟を口にした。そして「大切な人が増えれば、自分が守っていきたいと思う。そのためには自分自身が強くならないといけない」とも話した。

 昨年の比嘉は優勝こそこの1勝だけに終わったが、サントリーレディースの2位などトップ3入りは4回を数えた。黄金世代、ミレニアム世代の台頭著しい女子ゴルフ界にあって、ゴルフの技術はもちろん、強いメンタルを持つ実力者として、今後もその存在感を示してくれるに違いない。(デイリースポーツ・松本一之)

 ◆比嘉真美子(ひが・まみこ) 1993年10月11日、沖縄県出身。11歳でゴルフを始める。本部高卒。12年プロテスト合格。13年ヤマハレディースで初優勝。通算5勝。ドライバー平均飛距離250ヤード。昨年賞金ランク18位。161センチ、58キロ。血液型O。

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