古江彩佳が“プロ初V” パー3の3番お見事ホールインワン!
「エレコム協賛医療従事者支援チャリティーゴルフカップ」(17日、よみうりCC=パー72)
新型コロナウイルス感染拡大の影響で男女ツアーの中止が続く中で初めて開催されたプロトーナメントは、2日間大会の最終ラウンドが行われた。女子では古江彩佳(20)=フリー=が3番パー3でホールインワンを決めるなど、1イーグル、3バーディー、1ボギーの68で回り、通算9アンダー、2位に3打差をつけて“プロ初優勝”を果たした。男子は香妻陣一朗(25)=フリー=が通算10アンダーで並んだ宮本勝昌をプレーオフで下して優勝した。
黄金世代の女子プロがいる。それに続くミレニアム世代が大活躍する。大ベテランや、今季の飛躍をもくろんでいた男子プロもいる。コロナ禍で沈黙を強いられてきたゴルフ界にようやく、熱い競技が帰ってきた。
女子の部で優勝を果たしたのは、古江だった。19年の富士通レディースで史上7人目のアマチュア優勝を手にした実力、勢いは、苦しい自粛があっても揺るがない。
前半の11番でバーディーを奪い波に乗ると後半3番、183ヤードパー3では4番ユーティリティーで「いい感じ」のティーショット。これがカップ手前10ヤードから寄っていき、見事カップインだ。「跳びはねました」の喜びも、競技だからこそ。
古江自身4度目のホールインワンというが、この日を含めて3度が競技中という本番での勝負強さを見せて、優勝への弾みとした。
自粛中は「自宅とコースの往復だけでした」と古江。気分転換に「メークの勉強」を重ねたそうだが、やはり先が見えない状況に「いらない反抗しちゃったり、両親とケンカが増えました」と苦笑した。
メインスポンサーのエレコム・葉田順治社長(66)は「プロの試合の場を提供したい。同時に、医療従事者に何かできることを」と開催理由を口にした。会場ではマスクやフェースシールドの着用、手指の消毒、検温、ソーシャルディスタンスの確保などあらゆる感染防御策を講じた。
協賛各社と会場内で集めた寄付金500万円などは大阪市を通じて市内医療従事者に送られる。古江もホールインワンで獲得した賞金30万円を「寄付したいです」と賛同した。
成功裏に終わった大会。これが、閉ざされたトーナメント再開のきっかけとなる可能性はある。少なくとも次週、唯一開催が決まっている女子レギュラーツアー、25日からのアース・モンダミン・カップ(千葉)へ向けて出場者には最高の準備ともなった。「落ち着いて、楽しく」古江は“2週連続V”を狙う。