【綾子の視線】西郷さんボギー我慢できればV可能性も十分
「女子ゴルフ・アース・モンダミン・カップ・第3日」(27日、カメリアヒルズCC=パー72)
通算3アンダー、15位からスタートしたプロデビュー戦の西郷真央(18)=大東建託=がこの日は5バーディー、ノーボギーの67で回り通算8アンダー、3打差の2位に浮上した。古江彩佳(20)=フリー=も6バーディー、ノーボギーで同スコアの2位にジャンプアップ。田中瑞希(21)=フリー=はこの日70、通算11アンダーで単独首位を守った。コロナ禍を受け、史上初めて全ラウンドを無観客で実施する今大会をデイリースポーツ評論家・岡本綾子氏(69)が振り返った。
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若い選手はミスをしても切り替えるのが早い。一昔前はミスショットをすると、シャドースイングをしながら「こんな打ち方になったから、あんな球になった」なんてやっていましたが、そういう光景は見受けられなくなりました。ミスに理由をつけるのはホールアウト後、コースの中では常にポジティブシンキング。こういう選手のプレーは見ていて気持ちがいいものです。
特にこの日のプレーでは、田中さんのミスショットを引きずらない姿が強く印象に残りました。ショットは切れ味があって小気味よいし、フェース面の使い方が上手だからラフからのショットも苦にしていません。アプローチ、パターはものすごくうまいわけではないですが、一応のレベルより上にいます。雰囲気にのまれない強さも持っていますし、総合力の高いオールラウンドプレーヤーです。
田中さんは21歳、そして最終日最終組で一緒に回るのが20歳の古江さんと18歳の西郷さん。古江さんは持ち前の曲がらないショットが今大会のコースセッティングに合っていますし、すべてをソツなくこなせるところが強み。古江さんもそうですが、ノーボギーでのラウンドはそうできることではありません。それをプロデビュー戦でやった西郷さんはたいしたもの。最終日もボギーを我慢できれば、優勝の可能性は十分にあります。
若い選手の勢いは誰にもブレーキをかけられません。引っかけて転がしてやろうと足を出しても、それをジャンプして通り越していきますから。それでも最終日、若手3人の最終組の一つ前で回る鈴木さんがどういうプレーを見せるか。また、スイングの良くなった渡辺さんの復活優勝はあるか。渡辺さんはまだ自分のスイングに疑心暗鬼で、不安が見え隠れしていますが、優勝すれば一気に自信を取り戻せるはず。楽しみに最終日のプレーを観たいと思います。