3位田中瑞希、首位スタートも重圧でリズムが…「キツかったけど楽しかった」
「女子ゴルフ・アース・モンダミンカップ・最終日」(29日、カメリアヒルズCC=パー72)
4位から出た渡辺彩香(26)=大東建託=が5バーディー、1ボギーの68を出して鈴木愛と通算11アンダーで並び、プレーオフの1ホール目でバーディーを奪って逆転優勝を果たした。鈴木が2位。首位からスタートした21歳の田中瑞希は1オーバー73とスコアを伸ばせず、通算10アンダーで酒井美紀と並んで3位にとどまった。悪天候のため最終ラウンドは28日から順延。ウイルス感染対策のため史上初めて大会を通じて無観客だった。
気持ちよく、スタートしたはずだった。1番パー5でバーディー発進。しかし田中は「終わってみたら、硬かったのかな。違うリズムになってたかな」と、初優勝に手が届く位置での、見えない重圧を認めた。
16番のボギーで、9アンダーまでスコアを落とした。それでも首位とは2打差。「もうバーディーかイーグルって、それだけ」と気力を振り絞り、17番でバウンスバック。18番も、3打目をピン下2メートル弱につける意地を見せた。
入ればプレーオフ、のバーディーパットは無情にもカップの右縁をすり抜けて止まり、天を仰いだ。
ただ終盤は「絶対落とせない、という強い気持ち」が、なぜかそれまでになかった笑顔となって表れた。「キツかったけど、楽しかった」。田中の、苦境で笑える強さはいつか、最高の結果を呼ぶに違いない。