日系米国人モリカワ、大混戦抜け出しメジャー初V!戦後3番目の若さで全米プロ制す
「米男子ゴルフ・全米プロ選手権・最終日」(9日、TPCハーディングパーク=パー70)
日系米国人のコリン・モリカワ(23)が1イーグル、4バーディーの64で通算13アンダーとし、逆転でメジャー初優勝を飾った。米ツアーデビューから1年2カ月、メジャー挑戦2試合目での制覇で、ツアー通算3勝目。松山英樹(28)=LEXUS=は通算4アンダーで22位。3連覇を目指したブルックス・ケプカ(米国)は29位だった。今大会は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で無観客で開催。今後のメジャーは9月に全米オープン選手権、11月にマスターズ・トーナメントが予定されている。
米ツアーデビュー以来、快進撃を続けるモリカワがメジャータイトルを手にした。最終組が最終ハーフに入っても一時7人がトップに並ぶ大混戦の中、14番のチップインバーディーで波に乗った。
294ヤードに設定された短い16番パー4では「自分の距離だった」と勝負をかけてドライバーを握り、ピン手前2メートルに。カップに流し込むイーグルで後続との差を広げ、難しい17、18番は一転して手堅くパーをキープし優勝を決定づけた。
「本当に落ち着いてできた。こんなに早くメジャーに勝てるとは」。18番グリーンで応援した地元在住の恋人キャサリンさんと、コロナ禍のソーシャルディスタンスを守って遠慮がちに抱擁した。
父が日系人、母は中国系で「僕はハーフジャパニーズ。3世か4世だと思う」。現在は日本との縁は薄いが、日本食を「世界一の食べ物」と評し、前夜はガールフレンドとうどんを食べたという。
体格も175センチ、73キロと平均的な日本人のよう。鍛え上げた体で驚異的なドライバーショットを放ち、力でコースをねじ伏せるスタイルが米ツアーの主流になりつつある中で、今大会のドライバー平均飛距離は290・5ヤードで41位。それでもフェアウエーキープ率は69・6%と1位で、正確にゲームを進めた。
戦後ではマキロイ(英国)ニクラウス(米国)に次ぐ若さの全米プロ王者。「これはまだキャリアのスタート。次に向けて準備したい」と意気揚々と語った。