笹生優花が圧勝!プロ2戦目、ジャンボ愛弟子19歳ルーキーが21世紀生まれ初の優勝
「女子ゴルフ・NEC軽井沢72・最終日」(16日、軽井沢72G北C=パー72)
3位から出たルーキー笹生優花(19)=ICTSI=が1イーグル、7バーディー、ボギーなしの9アンダー63をマークし、通算16アンダーで逆転初優勝を果たした。国内ツアーデビュー戦から2試合目の優勝で21世紀生まれの優勝は初めて。師匠のジャンボ尾崎将司(73)へ孝行娘が朗報を届けた。藤田さいき、産休明けの若林舞衣子が通算12アンダー2位。有村智恵が通算11アンダーで4位に食い込んだ。
スケールの大きなルーキーが早くも勲章を手にした。最終18番。笹生は80センチのウイニングパットを沈めると、はにかんだような笑みを浮かべながら帽子を取り感謝の気持ちを表した。
「最後のパットはビビって打った。ヤバイ感じだったけど、入ってよかった。うれしいので、泣くことはなかったです」
全盛期の師匠をほうふつさせるようなプレーだった。平均260ヤードを超えるドライバーショットが武器で、パー5はすべてチャンスホール。2番で残り60ヤードの第3打を3メートルにつけてバーディーを奪うと、9番は2オンに成功し、前半だけで5バーディーを奪った。
優勝を決定づけたのは480ヤードの16番だった。ティーショットを283ヤード飛ばし、ピンまで残り195ヤードの第2打を6番アイアンで手前2メートルに2オン成功。難なくイーグルパットを沈め、右の拳に力を込めた。
シングルハンディの腕前を持つ父・正和さん(62)の指導で、8歳からフィリピンで本格的にゴルフに取り組んだ。技術と並行して毎日2時間のランニングを欠かさないなど下半身を重点的に鍛え、現在の飛距離の基礎を作った。
“レジェンド”尾崎将の門をたたいたのは昨年11月。「ジャンボさんは私が気をつけなければいけないところを1ポイント、1ポイント教えてくださる。とてもありがたいです」。優勝後はコースに師匠の「アメリカでトップになりたいと意識していたけど、見えてきたのではないかな」という熱い祝福メッセージが届き「そう言ってくれてうれしい」と感激に浸った。
今後は日本を拠点にしながら近い将来の米ツアー参戦を目指す。現在は2重国籍で、来年の東京五輪はフィリピンから出場を目指す方針で、22歳までには日本国籍を選ぶ考え。「オリンピックは来年なので、今後の試合を頑張ってランキングを落とさないようにしたい」。スーパースターの素質十分な新星が飛び出した。