渋野「流れが変わった」名物8番“郵便切手”で初バーディー!復調ムードで第2日へ
「女子ゴルフ・AIG全英女子オープン・第1日」(20日、ロイヤルトルーンGC=パー71)
女子ゴルフの今季メジャー初戦が無観客で開幕した。大会連覇を目指す渋野日向子(21)=サントリー=は3バーディー、5ボギー、1トリプルボギーの5オーバー、76で71位と出遅れた。
渋野が“リンクスの魔物”に出鼻をくじかれた。「日本では台風の時ぐらいしかないんじゃないかな」と話すほどの猛烈な海風が吹き荒れる中をティーオフ。1、2番と連続ボギー発進し、4番パー5では名物の深くて小さいポットバンカーにつかまりトリプルボギーをたたいてしまう。
バンカーからの3打目、4打目と続けて前の土手に当て、脱出に3打を要した。これには「久しぶりに2回ボールが(バンカーから出ずに)帰ってきた時、なんか初心者に戻ったなって思った」と苦笑い。「風がどれぐらい影響するのかってすごい怖くて、不安なままいたら案の定」と、出だし4ホールで5つスコアを落とす苦しいスタートとなった。
それでも、このままでは終わらないのが渋野だ。横幅が約10ヤードしかないグリーンの小ささから「郵便切手」と呼ばれる名物ホール、難関8番パー3(114ヤード)で初バーディーを奪ってみせる。左からの強風に立ち向かい、52度のウエッジでフルショット。左のバンカー方向に打ち出されたボールは「自分がイメージした通りの球がいってくれた」とピンに向かって舞い戻り、右2メートルにピタリとついた。
この会心ショットで恐怖心を打ち消したことで「流れが変わった」と、インは2バーディー、2ボギー。「後半に(スコアを)落とさなかったのは個人的にうれしい」。最終18番をバーディーで締めたが、ホールアウト直後は顔をしかめたような複雑な笑顔だった。「いやー、疲れたのと、バーディーが獲れて安心してのあの顔だったかな」と、山あり谷ありの1日を振り返った。
後半に踏ん張ったことで予選通過、さらには上位進出の可能性も十分に残す。特にドライバーショットは「久しぶりに自分の思ったように振れて、リズムも良くて、よく飛んでくれた」と完全復調。第2日の21日は初日以上の荒天予想だが、自信を取り戻した全英女王にもう恐れはない。今度こそリンクスを制圧してみせる。