松山英樹、逆転メジャー初V「チャンスある」日本男子悲願へ5差4位
「男子ゴルフ・全米オープン選手権・第3日」(19日、ウイングドフットGC=パー70)
松山英樹が日本男子悲願のメジャー制覇を視界に捉えた。7位から出て6バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの70で回り、通算イーブンパーの4位に浮上した。首位との差は4打から5打に広がったが「チャンスはある」と逆転を見据えた。65と伸ばしたマシュー・ウルフ(米国)が通算5アンダーでトップ。
この日の最多に並ぶ6バーディーを奪って優勝戦線に名を連ねた。松山は難コースでスコアを落とさず、順位は7位から4位に。首位との差は一つ広がったが「きょうのようにバーディーを取って、ボギーを少なくできればチャンスはあるんじゃないか」と、落ち着いた口ぶりで最終日をにらんだ。
「風が少し穏やかだったので攻めやすかった」と、パーオン率は全体3位の72%。4、5番はフェアウエーからのショットでチャンスをつくり、短いパー4の6番は1オンして3連続バーディーと一気に伸ばした。「バーディーパットを打てている。それが増えているので良かった」。生命線といえるショットの精度が威力を発揮した。
14番までにスコアを3つ伸ばし、一時は首位と2打差の2位まで浮上した。ただ、15番で4メートルのパーパットを外し、悔やまれるのは通算2アンダーで迎えた17番。グリーン左手前のラフからの一打は距離も方向も狙いとまるで異なり、反対側のバンカーに飛び込んだ。珍しいミスで今大会初のダブルボギーをたたき、貯金を吐き出した。当然、痛いが「忘れて明日はそういうことがないように」。簡単ではない舞台で、切り替えも重要だ。
メジャーでの優勝争いは、最終ラウンド後半で首位に立った2017年の全米プロ選手権以来。この時は5位に終わり、人目をはばからず涙した。最高峰での重圧や緊張は何度も経験してきた。「全ていい方向に行けば、チャンスがあるところで最後まで戦えるんじゃないか」。磨いてきた心技体の全てをぶつける。