【綾子の視線】全くスキがなかった原さん、この勝ち方は評価高い
「女子ゴルフ・日本女子オープン・最終日」(4日、ザ・クラシックGC=パー72)
1998年度生まれの黄金世代、原英莉花(21)=日本通運=が68と伸ばし、通算16アンダーで国内四大大会初優勝を飾った。同世代の小祝さくら(22)=ニトリ=は通算12アンダーで2位。デイリースポーツ評論家・岡本綾子氏はメジャー女王となった原が、さらには黄金世代が、今後の女子ゴルフ界をけん引していくことを期待した。
◇ ◇
メジャー大会らしい、緊張感があって見応えのある優勝争いでした。小祝さんもいいゴルフをしましたが、原さんは決勝ラウンドの36ホール、全くスキがありませんでした。内容的に評価の高い勝ち方だと思います。
6月の開幕戦のころよりトップの位置が高くなり、ヘッドを上から下ろせるようになった分、ボールに余計な横回転が入らなくなりました。だからドライバーショットは飛距離が出て曲がり幅を抑えられるし、アイアンショットは狙ったところに打ち出していくことができる。さらに、小技も良くなっていました。いいものだけが出たような1週間でしたが、トータル的に去年よりも技術を確実なものにした印象です。
原さんは今大会からミズノの新アイアンを投入し、最もやさしいモデルを使っているようですが、それもいいことだと思います。プロだからといって見えを張る必要はありませんし、それよりも簡単なクラブを使ってでもいいスコアを出すことを優先するべき。自分にとってインテンショナル(意図的)にフック、スライスを打ち分けられ、ボールを上げやすいクラブを選ぶのが一番です。
若いうちにメジャーを勝てたことは、今後のゴルフ人生に大きな意味を持ちます。原さんは今大会のプレーを自信にして、もっと強い選手になってもらいたい。また、小祝さんらを含めた98年度生まれのこの世代が、これからの女子ゴルフ界をけん引していくことを期待しています。