原英莉花メジャー初V 奈紗、渋野に続いた!黄金世代3人目女王
「女子ゴルフ・日本女子オープン・最終日」(4日、ザ・クラシックGC=パー72)
首位で出た原英莉花(21)=日本通運=が5バーディー、1ボギーの68で回り、通算16アンダーでプロ2勝目、メジャー大会初優勝を手にした。1998年度生まれの黄金世代では畑岡奈紗、渋野日向子に続いて3人目のメジャー女王となり、世代通算21勝目、複数回優勝は5人目。師匠の尾崎将司(73)に「自信持って報告できる」と笑顔を見せた。4打差の12アンダー2位に小祝さくら、8アンダー3位に上田桃子と仲宗根澄香が入った。
思えば初日、強烈な腹痛でスタートすら危ぶまれたところから、気合満点の3連続バーディーで始まったこの大会。原は最後の最後まで攻めの姿勢を崩すことなく、栄光のゴールテープを切った。
同じ黄金世代で特に仲の良い小祝との一騎打ち。前半はやはり、ふわついた感覚があったが、6番で2打目をグリーンオーバーするボギーをたたいて、激変した。
「ボギーが来て『楽しいな』と思った。『ゴルフっぽいな』って」と、焦るどころかこれで「ビシッときました」と、スイッチが入った。
前半をともに1つ伸ばして折り返す。11、12番と2人とも連続バーディー。特に12番パー5は小祝に長いバーディーパットを決められた直後、「一番しびれた」という3メートルをねじ込み、流れを死守した。
そして13番パー3。原はティーショットでグリーンを捉えられなかったが、左のカラーから10ヤードを見事、チップインバーディー。3連続だ。ここで小祝を突き放し、初めて、口元を緩めた。
師匠・尾崎が過去5度、手にしたナショナルタイトル。一番弟子として、アマチュア時代から「最高峰の試合」と、こだわり続けた大会でもあった。19年6月のリゾートトラストで初優勝。以降「ジャンボさんから『2勝目、2勝目』と言われてたのが、ナショナルオープンで達成できた。ちょっと自信持って、報告できるかな」と笑った。
5打差とした14番以降、安定感、パワーを兼ね備えたティーショットから、パターまで、全く乱れないゴルフでパーを重ねた。15番で小祝がバーディーを奪い、再び4打差となっても、変わらない。強いゴルファーの典型のようなプレーを披露した。
そして難関の18番。フェアウエーど真ん中から、残り160ヤードの2打目をピン右上4メートルにつけ、難なく2パットでフィニッシュだ。
歓喜の初優勝から1年と4カ月。グリーンを取り囲んだのはギャラリーではなく、残っていたボランティアら。「ガッツポーズ、していいものかどうか」。コロナ禍で、世界は変わった。同時に公式戦覇者の称号を得た。その目に映った景色は、これまでとは全く違うものとなった。