稲森佑貴、日本オープンだけで2勝目 18番バーディーで決着!
「男子ゴルフ・日本オープン選手権・最終日」(18日、紫CCすみれ=パー70)
2位から出た稲森佑貴(26)=フリー=が首位タイで迎えた18番でバーディーを奪い、通算5アンダーでプロ2勝目を2年ぶりの大会制覇で飾った。首位で臨んだ41歳の谷原秀人は1打及ばず2位。アマチュアの20歳、河本力(日体大3年)は第3ラウンドで「誤所からのプレー」があったと判定され、2罰打を科され通算2アンダー3位からスタート。70と伸ばせず5位に終わった。
「日本オープン男」だ。2年ぶりのツアー優勝は、またも日本一を決める大会。稲森は18番のバーディーパットを決めると、何度も拳を握り込んだ。
「入った瞬間、自分の中でレベルアップできたとひしひし感じた。2勝目が日本オープンという喜びがぐるぐると巡った」
最終組で回る谷原と一騎打ちの展開。一時2打差に広げられても、前半でチャンスをことごとくはずしても「きょうは我慢大会」。焦りはなかった。常にリーダーボートを見て、スコアを伸ばす選手がいないことを確かめながらラウンド。13番で伸ばし、17番で並ぶと、「心拍音が聞こえるぐらい緊張した」という2メートルの優勝パットを沈め、15歳年上の試合巧者に競り勝った。
昨季ツアーの平均飛距離は95位。一方でフェアウエーキープ率は昨季まで5年連続で1位。メジャー大会に合わせた高難度設定のコース攻略法はやはり「ティーショットを曲げないこと」。デシャンボー(米国)を筆頭に世界ではパワーゴルフが注目されるが、「僕とは真逆」と時流には乗らない。自分のゴルフを貫き、再び国内最高峰の頂に立った。
地元の鹿児島弁で運がいいを意味する「ふがいい」の語呂合わせから、今年の2月22日に結婚。ひ、ふ、み…のふ=2に験を担ぐ。この日のボールナンバーも2。2位から出て2バーディーで2年ぶりのツアー2勝目なのは何かの縁かもしれない。「メジャーで勝つことが自分のゴルフ人生の要素。自信につながる」。日本一曲げない男が、飛躍の足掛かりをつかんだ。