今平、特例措置初適用で帰国即参戦も…厳戒感染対策にキャディー嘆き「消毒しすぎで」
「男子ゴルフ・ダンロップ・フェニックス・第1日」(19日、フェニックスCC=パー71)
前週の米国での海外メジャー大会、マスターズで最終日(現地時間15日)までプレーし、17日に帰国したばかりの19年覇者、今平周吾(28)=フリー=が東京五輪強化指定選手の特例で2週間の自主隔離を免除されて参戦。さまざまな制約を受けながら71のイーブンで、首位と6打差の44位で発進した。政府が進めるこの制度は12日から運用が始まり、今平が初の適用。会場は万一の感染拡大を阻止するため厳戒態勢が敷かれた。
海外で活躍するスポーツ選手の試金石となる今平の4日間が始まった。一挙手一投足に専属の係員1人と警備員2人が目を光らせた。
18日に新横浜駅から博多駅まで新幹線に乗り、下車後は宮崎までハイヤーを使用した。9時間がかりの陸路で午後8時30分に現地入り。新幹線は周囲を含めた計6席を買い取り、ハイヤーは大型ミニバンの座席をビニールシートで覆った。1人でコテージに泊まり、食事は部屋に届けられたものだけ。クラブハウスには入れない。
最初のホールは第1打を右ラフに押し出してボギー。12番では珍しく左に曲げて2つ目のボギーとなった。他選手とは2メートル以上の距離を取らなければならない。素手での接触を禁じられている柏木一了(かずのり)キャディーとは、ボールや飲み物の受け渡しをタオル越しで行った。各ホールごとに指を消毒したため、柏木キャディーも「ここまで厳しいとは。消毒しすぎで指の指紋がなくなっちゃうよ」と苦笑いした。
係員はベンチや飲み物の置かれたテーブルなど、今平が触れたものはすぐに消毒。ペットボトルの空き容器やごみも、1人分だけビニール袋に密封した。同組で前週優勝の香妻陣一朗は「近づきすぎてはいけないと言われていたが、グリーン上でお互いのボールが近くなるとつい…。やりにくかった」と正直に振り返った。
今平は「昨日の移動で座っている時間が長かったので、前半は思ったより体が動かなかった」という。後半のアウトは3バーディー、1ボギーと復調気配。今大会の成績は、全てのスポーツ関係者が注目している。