チャン・キム逆転V ツアー5勝目!2つ目の日本タイトル獲得
「男子ゴルフ・日本シリーズJTカップ・最終日」(6日、東京よみうりCC=パー70)
チャン・キム(30)=米国=が通算8アンダーで逆転優勝した。3位から出て6バーディー、3ボギーの67と伸ばした。ツアー通算5勝目で、19年の日本オープンに続き、2つ目の日本タイトル。自身がホールアウトした後、首位で並んでいた最終組の岩田寛と谷原秀人がともに最難関の18番パー3をボギーとして勝利が決まった。2020年内最終戦で、シーズンは21年と統合されている。
日本一難しいパー3と言われる18番。1・5メートルのパーパットを前に、キムは手が震えていたという。「ボギーなら負ける」。震えを懸命にこらえて最後のパットをねじ込んだ。
プレーオフに心を切り替えた10分後、信じられない光景が現れた。最終組で同じ8アンダーに並んでいた谷原が10メートル以上のラインを3パット。第1打を左ラフに大きく外した岩田は2打目を1メートルに寄せて食い下がったが、このパットを沈めることができなかった。ウイニングパットも観客の歓声もないエンディングだが、心優しい188センチ、102キロの大男は、ひげ面の目をうるませた。
「日本に戻ってきたのは、大会を開けるよう頑張っている人たちがいると聞いたから。意気に感じて自分も出るべきだと思った」
15年から日本ツアーに参戦しているが、今年はコロナ禍で米アリゾナ州の自宅にこもっていた。秋にツアーが再開されると知り、すぐに日本行きを準備。来日直後の2週間の隔離中はホテルで過ごした。「隔離中はコンビニでサンドイッチやおにぎり、弁当を食べていた。日本のコンビニ食はおいしいから大好きだよ」。
昨季に平均飛距離1位の315ヤード超をたたき出したツアーきっての強打者は、11月の初戦で4位、次戦5位、そして優勝と力を見せつけた。「また日本に戻ってきてプレーしたい」。7日には故郷の韓国へ渡り、両親や兄弟と新年を迎える。