池村寛世が5年ぶり首位発進 横峯さくら父のアカデミー仕込み「直ドラ」でノーボギー
「男子ゴルフ・関西オープン・第1日」(22日、有馬ロイヤルGC=パー71)
池村寛世(25)=ディライトワークス=が6バーディー、ノーボギーの65でラウンド。石坂友宏と並んで首位に立った。1打差の3位にアマチュアの宇喜多飛翔(つばさ、19)=大院大2年=らが続いた。2週連続優勝を狙う金谷拓実(22)=フリー=と、前週予選落ちだった石川遼(29)=CASIO=はいずれも2アンダーの24位につけた。
野生のゴルフが、池村を2016年の日本ゴルフツアー選手権以来、5年ぶりのトップスタートに押し上げた。
他の選手ではまず見ることができないクラブセッティングに、その野性味が凝縮されている。
通常、ドライバーの次の番手は3番か5番のフェアウエーウッドだ。しかし、池村は2番のアイアン型ユーティリティーだ。
300ヤード超のドライバー。その次の距離を埋めるための必殺技が「直ドラ」だ。ティーアップせずのドライバーショットが「280~290ヤード。カットに打てば260~270ヤードです。高さも出ますしね」と、苦手なスプーン(3W)を抜いたセッティングが池村の売りだ。
この日は3番、17番と400ヤードを切る短いパー4で、直ドラを使ったティーショットを行い、いずれもパーとスコアをまとめた。
もう一つの原動力は、怒りだ。パー5の10番スタートで、2打目は「5、6メートル」。絶好のイーグルチャンスを3パットのパー。「ここまで車を持ってきてもらって、そのまま帰ってやろうかと思いましたよ」と、薩摩隼人の怒りが沸騰した。
これで目が覚めた。直後の11番を含め、そこから6バーディーの躍進だ。
直ドラは鹿児島にいた小学校時代、横峯さくらの父・良郎氏のアカデミーで「さくら姉ちゃんもやってたから」と覚えた、年季の入った技術。他の選手にはない武器と、九州男児のど根性で、初の頂点を目指す。