岩田、逆転で6年ぶりV 通算3勝目!小さくガッツボーズも岩田節「わざとやった」
「男子ゴルフ・中日クラウンズ・最終日」(2日、名古屋GC和合=パー70)
第2ラウンド残りと最終ラウンドを行い、首位に2打差の7位で出た岩田寛(40)=フリー=が、7バーディー、ボギーなしのベストスコア63をマークし、通算12アンダーで逆転優勝した。2015年7月の長嶋茂雄招待セガサミー・カップ杯以来のツアー通算3勝目。3打差の2位は宮本勝昌(48)=ハートンホテル。金谷拓実(22)=フリー=は通算3アンダーで15位、石川遼(29)=CASIO=は通算2アンダーで23位だった。
最終18番ホールでパーパットを沈めた岩田は、両手で小さく、控えめのガッツポーズをした。後ろに2組を残していたが、6年ぶりの優勝を確信。笑顔はなく、緊張がほどけた程度の表情を浮かべた。
「ガッツポーズをしろとよく言われるので、わざとやった」。優勝インタビューの抑揚のない語り口や喜びの表現は普段から感情を表に出さない、いかにも岩田らしいものだった。
1番で2メートルを沈め勢いに乗った。アイアンショットの切れ味が鋭く、バーディーの大半は2メートル以内から奪った。前半だけで4つ伸ばし、宮本と首位で並んだ。
自身のショットに納得したのは16番と17番のティーショット。16番は、1打目をピンまで78ヤードのフェアウエーに運び、2打目を1・2メートルに寄せるイメージ通りの攻略でバーディーを取った。17番、2位のスコアを知り「めちゃめちゃ緊張した」場面でも逃げずに、バーディーを狙いやすいバンカー寄りの狭いエリアに運んだ。
1981年1月生まれの40歳。4月のマスターズで日本男子で初めてメジャーを制した松山英樹は、東北福祉大の11学年後輩にあたる。最終日はテレビ観戦し「後続が追い上げていたので疲れた」と力が入ったという。
仙台市出身で、東日本大震災から10年の節目での勝利に「勝ち星を増やしていきたい。優勝争いしたい」と目をぎらつかせた。6年ぶりのツアー通算3勝目をもぎ取ったベテラン。あくなき向上心は、さらに磨きがかかっている。